00 はじめに

“ヨーロッパ激走の旅”は
1993年の6月から7月にかけての27日間に
ヨーロッパを駆け巡ったときのレポートです。

渡欧の目的は、6月13日にドイツ、26日にオランダ
そして7月4日にカタルーニャで行われた
GP(オートバイの世界選手権ロードレース)の取材でした。

3つのサーキットへ移動しつつ
レースの間は気の向くままにドライブしたため
27日間に訪れた国の数は13に達し
走行距離の合計は12,000kmを超えました。

この一風変わった、長大なレポートは
ほとんどが現地で、旅の途中に書いたものです。
持参したノートPCでレポートを書いては
ほとんど毎日アクセスするニフティ・サーブのパティオに
アップロードしていきました。

会員のかたならご存知だと思いますが、ニフティには
CUG(クローズド・ユーザー・グループ)の一つとして
“パティオ”というボードがあります。
会員が個人で運営する非公開の会議室です。

ただ、パティオにはテキストだけしか登録できないため
写真とテキストを組み合わせ、ヴィジュアルな形で公開したいと
ホームページ開設以来ずっと考え続けていて
今回、ようやく、このような形で実現することができました。

『激走』のルート。

フランクフルトを出発した後
3回の取材期間以外は
有名観光地には目もくれず
ただひたすら走り続け
27日間で13ヵ国をめぐり
12,000km超を走破した。


ロードレースGPは“コンチネンタルサーカス”と呼ばれるように
5月から10月にかけて、ヨーロッパ各国を転戦していきます。
それを追ってヨーロッパ内を数週間に渡って何千kmも走ったのは
このレポートにある1993年に限りません。
そして、そのつど、似たようなレポートを書いています。

しかし、完結したのはこれ1本でした。
やはり、多くの中で、この“ヨーロッパ激走の旅”ほど
次から次へと書きたいできごとが起こったのは
他になかったからだと思います。

文章を書くのを仕事としながら、または、それだからこそ
仕事じゃないレポートなんてのは、楽しくなければ書きません。
つまりこれは、最も楽しかった旅の記録でもあるわけです。

93年6月〜7月の取材の旅が、こんなに楽しかったのは
文中に登場する知人や旅の途中で出会った多くの人々と
素晴らしいレースを見せてくれたGPライダーたちと
ヨーロッパのいたるところに広がる美しいけしきと
27日間、ノントラブルで走破してくれたモンデオのおかげです。

これを読んでくれたあなたが、ヨーロッパに行きたくなったり
今度はクルマで走ってみたいな、と思ってくれたなら
筆者にとってこれほどうれしいことはありません。

では[INDEX]ボタンを押して目次に戻り
お好きなところから“バーチャル激走”を開始してください。