XJ900の爽快チューン
2008年5月3日 - アンダンティーノ・コン・モルト・エスプレッシオーネ   
     
京都府相楽郡和束町は、宇治茶の主要な産地のひとつ。山の斜面にうねうねと続く茶畑は、まもなく茶摘みの季節である。
 珍しく寝坊した。好きでやっているバイクいじりだけれど、しなくて良いのもまた嬉しい。あまりに天気が良いので、ふらっと外に出た。
 和束川沿いの道を、トップギアに入れたまま、2〜3000rpmあたりでゆ
っくり流してみる。足まわりもエンジンも最高だ。前車に追いついて速度が落ちる。が、それでもまったく不満はない。いや、それどころか、接近したまま走るよりは間隔を空けたほうが良かろう…と、徐々に速度を落とし、車間距離を開ける。
 前車が見えなくなったところで、再び、最も気持ちよい速度まで加速してみる。やはり、今日の空気の中でこの道を走るには、トップギアで2〜3000rpmが最高に気持ち良い。
 運転者として最低限必要な注意力だけ残し、あとは、マシンからの反

応を含む、自分を取り巻く雰囲気に身を委ねてみる。脳内がアルファ波で満たされていくかのようだ。
 タクトを捨てて、オケが奏でる調べに聴き入る指揮者の気分。完調を取り戻した わがXJ900は、いつだったか雑誌に書いた“ふと手綱を緩めた瞬間には、まるで自動操縦の飛行機のごとく安心で、かつ、どう操ってほしいかをそっと教えてくれるような…”という理想像に、また一歩確実に近づいたのが感じられる。
 ゆっくり流しているときに“開けろ、急げ、飛ばせ!”と急きたてることなく、みなぎる力を押し殺したような素振りも見せず、しかし一本調子ではなく表情豊かに、ゆったり走る“だけでも”充実感を味わわせてくれる…。今日の愛車はまさにそれだった。


<  ひとつ前 ・ 目次 ・ 最新 ・ ひとつ先  >
 
ARCHIVESARCHIVES TUNINGTUNING DATABASEDATABASE HOMEHOME Network RESOURCENetwork RESOURCE    DIARY