寒冷地へのツーリングに備えた冬支度のつもりで始めた整備が、いつの間にやら腰上のオーバーホールに発展したのは、結果的に焼けすぎを発見/対処できたという意味では良かった。しかし、1日で済むはずの整備に3日もかかり、抱えていたロ ードライダーと新刊誌“Racers”の原稿執筆が大幅に遅れていた。 で、とにかく、腰上の組み立てとエンジンオイルの注入までを慌てて済ませた後、 CLUB XVの全国オフ会に向かって出発する前日までの間は始動確認さえせずに、遅れを取り戻すべく原稿を書き続けていた。 だが、いくら横着な私でも、バラし組みをした箇所の作動確認は必ずする。ようやくその時間がとれたのは、台風が去った9日の早朝。エンジンを始動し、アイドル状態で各部を目視点検した後、家の近所で実走 |
| 確認すべく走りだした。その瞬間、振動が低減し、低速トルクが増大しているのがはっきりわかった。嬉しくてたまらない。なぜそうなったのかの考察はあとまわしにして、充分にエンジンが暖まった後、少々高回転まで回してみた。これまた以前と比べてはるかに良い感触である。 いい気になって走りながら、やや強めにエンジンブレーキを伴ってコ ーナーに進入し、スロットルを開けた途端、右のヒザに熱さを感じた。ふと目をやると、オイルだらけである。うげっ! やべえ…。エンジンを見ると、シリンダーヘッドもオイルだらけ。停まって観察すると、シリンダーヘッドカバーガスケット〜シリンダーヘッド間から大量のオイルが吹き出したのだと判明した。 家からわずか1kmほどしか離れていない場所だったのは不幸中の幸い |