42 ウィーンからのアクセス


6月21日の昼過ぎ ノヴォテルにチェックインしたボクは
SIEMENSの受話器にカプラーを当て
TYMPASのウィーンAPからNifty にアクセスした。


CONNECT 2400
                          :
please log in: NISJPN

inter-link established from TYMNET-JB2 to NISNET-JB2
please log in: TW15***X:97;

* NISNET *  :call connected
 Enter Connection-ID  --->SVC
 Enter User-ID  --->HBA03***
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ここからの通信も快適そのものだった。
国内でアクセスするより、かなり速い。
バイナリーメールの送受信など
TYMPAS経由だとびっくりするほど速い。
メールとパティオの未読を落とし
溜まっていた旅行記をアップした。
トリエステの公衆電話からは
1分ほどで回線が切れてしまってアップできなかったぶんだ。

デュッセルドルフ在住のKさんという
通信仲間からのメールを読んで
あわてて電話したのもこのときだ。
ドイツに国際電話をして
いきなりドイツ語の女性が出てあせったけど
無事Kさんに通じてひと安心。

23日のお昼にデュッセルドルフの中央駅で
待ち合わせることになった。
日本からの業務連絡メールによると
Wさんは予定通り出発するらしい。
22日の夜、フランクフルトでWさんをピックアップし
どこかで1泊してデュッセルドルフに向かうという
スケジュールになった。

ほっとしたボクは、安心感と心地良い疲労感のため
ベッドに横になった。
まだ午後2時だったから、その気になれば
すぐ近くにあるシェーンブルン宮を見に行ったり
インナーシュタッドまで足を延ばすこともできたが
そんなことよりも
大好きなオーストリアにいるということが、ボクには大切だ。
ウィーンの森を抜けてくる
心地良い風に吹かれながら昼寝するってのも
最高のゼイタクなのではあるまいか…。

目が覚めたら午後7時だった。
夕食はノヴォテルの中で食べることに決めた。
独墺では、どこかに緑色を使うのが
男のおしゃれとされているようなので
草色のシャツに濃い緑色のニットタイをして
1階のレストランに向かった。
メニューを前にあれこれ考えるのは面倒なので
日替わり定食にした。
どんなのが出てくるのか
まったく見当がつかないまま料理を待つのも
旅先での楽しみのひとつである。

待っている間に、水とワインを注文した。
オーストリアで“ヴァッサー”といえば
黙ってても炭酸入りが出てくる。
フランスのペリエやオランダのスパみたいな有名ブランドはなく
みんな地酒ならぬ地水で、どれもうまい!
ワインは“ヴァイス”と言っただけでとくに指定しなかったら
瓶に入った地酒が出てきた。

オーストリアのワインは
ラベルに書かれた能書きはスゴいが
瓶入りで流通ルートに乗っているもので
今までうまいと思ったものはない。
このときもそうだった。
やはりワインは、ガストホッフで樽から汲んでくる
ディーザーゲーゲントのものにはかなわない。

料理は、5mm厚くらいにスライスしたジャガイモに
挽き肉をまぶして炒めたのをメインディッシュとする
やや軽い食事だった。
“よし、これならデザートまで十分楽しめる!”
ウィーンでザッハトルテを食べないテはない。
特大のザッハトルテとほど良い濃さのコーヒーに満足したボクは
いったん部屋に引き揚げた。外はまだ明るい。
Westbahnhof から北に数kmの区間、Guertel通りに立ち並ぶ
“質・量とも世界のトップクラス”という
お姉さんたちを冷やかしに行くには
まだちょっと時間が早かった。