XJ900の爽快チューン
2008年2月3日 - エンジン始動   
     
あまりの寒さにマフラーからは水蒸気の白煙もくもく。シート後部やテールカウル表面に結露した水滴は凍りはじめていた。
 大急ぎでエキゾーストフランジの錆を落として色を塗ったり、それを取り付けるフランジナット(新品を注文するのを忘れていた)の錆をワイヤーブラシで擦り落としたり…。予想していたこととはいえ、あまりの泥縄ぶりに自己嫌悪に陥る。
 それらの付帯作業を何とかやっつけ、スペアのガソリンタンクをクルマに積んでガソリンを買ってきて、バッテリーを結線してエンジンをかけたのは、夜の9時ごろだった。
 このバッテリーも、5カ月間、庭の石の上に置き忘れたまま雨ざらしになっていたのだが、わずか10分ほどのアイドリングで息を吹き返し、以後、問題なく使えている。

 初始動は、5カ月かけたオーバーホールの後であり、8カ月近い不動期間の後だったにもかかわらず、ただ慌ただしく、強烈に寒く、感動や感慨の類はほとんどなかった。
 本誌4月号に書いたように、火が入った瞬間に、自分の気持ちがメカニックからライダーに切り替わったからだろう。ライダーにとっては、完成してエンジンがかかるのは当たり前のことで、乗ってみて結果がよいとわかるまでは喜べない。
 いよいよ明日から走れる…という嬉しさよりも、このクソ寒いときに完成させやがってよぉ…と、メカニ
ックとしての自分と冬の寒さを恨む気持ちのほうが大きかった。
 クランクケース搭載〜腰上組み立てはスムーズにいった。並行して進めていた車体まわりの整備も完成していた。ところが、エンジンに装着する小物パーツの多くが、5カ月間の放置によって、どこかに紛れ込んでいたり錆びていたりで、捜索と対策にかなりの時間を取られた。


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