シュだけしか入らない機種もある。もちろん、ベアリング入りのほうが抵抗は小さいが、ここで問題にしたいのはアキシャル荷重である。 先に書いたH型の縦棒、つまりフレームの内〜内間の距離と、その間に入るスイングアームの外〜外間の距離の差は、シムを入れるなり何なりして、軽く動く範囲で最もガタが小さくなるように調整(ガタの出ない範囲で最も軽く調整するステアリングヘッドとは異なる点に注意!)すれば良いとして、アキシャル荷重の支持をまじめに考えて設計された機種の少なさに驚かされる。ちゃんと考えているのは例外で、何もしてなくて当たり前といった感じだ。 スイングアームの端面とフレームの間にスラストプレートだとかスラストカバーなどという部品を入れ、テキトーにお茶を濁している例が多い。マシンを静止状態にしてスイン |
| グアームを上下させるだけなら、アキシャル荷重はほとんどかからないから、それでもよく動く。しかし、実走状態のスイングアームは“ぐいぐい”あるいは“ごりごり”と、横にあるパーツに押し当てられ、抵抗を生みながら回転している。 それで良いのか…? 良いわけはないだろう。やはり、 TZ250をはじめとする市販レーサーやV型TZR250 (3XVのSPモデルのみ)のように、スラストニードルローラーベアリングを入れるのが最良であろう。もしくはテーパーローラーベアリングである。抵抗の低減を最優先するなら前者だが、わずかな抵抗の増加と引き換えに、結合剛性のアップ、部品点数の削減、耐久性や整備性の向上など、後者のメリットは多い。 ところが、話はまだ終わらない。リアサスの作動性向上には、もうひとつ秘策がある。乞うご期待。 |