XJ900の爽快チューン
2008年4月24日 - それで良いのか、2本ショックのマウント(その2)   
     
 ショックユニットの上下にラバーブッシュが入っていること自体は、悪くないどころか、むしろ好ましいと思っている。フレームやスイングアームからショックユニットに伝わる衝撃荷重を和らげ、振動を減衰させてくれるから、劣化や摩耗が進みにくい。ラバーブッシュは、本来、この目的のためにのみあるべきだ。
 ところが、昨日書いたように、ブッシュのインナーカラーがリジッドにマウントされていると、ショックが伸縮したときの角度変化によってラバーにねじれが生じる。
 ねじれなければショックユニットが曲がるから、ねじれないよりはねじれたほうが良い。しかし、ねじれ

たラバーには元に戻ろうとする力が生じ、その力が常にショックに働いている。これにより、本来は上下方向の圧縮または伸長力のみ受けるはずのショックが、曲げ応力を受けながら伸縮することになる。これではスムーズに動くわけがない。
 ラバーのねじれに頼ったマウント部の構造は、昨日書いた角度変化に対する抵抗の他に、ショックに曲げ応力を与えるという点でもまた、スムーズな動きを妨げている。動きにくい状態のものを無理やり動かしているわけだから、当然、劣化や摩耗の進行も早まるはずだ。
 私の XJ900のオーリンズのリアシ
ョック(YA5220/5230)は、2003年

9月5日に中古品(走行距離不明)を取り付けた後、ノーメンテナンスで6万km超を走破しているが、オイル漏れは皆無だし、ロッドの摺動部のメッキも見た目は新品と変わらず、ダンパーの劣化も感じられない。これを知ると驚く人がいるが、優れた製品を正しく使えば、これくらい長持ちして当然だと思っている。
 ついでに言うと、昨日書いた上下マウント部の軸受け構造(ブッシュのインナーカラーと内側の軸の間が滑る)も、6万km超を走ってなお、カラーにも軸にも摩耗らしき摩耗は見当たらない。上下ピボットの正しい可動化は、機械的に正統かつメリ
ットの多いチューニングである。


<  ひとつ前 ・ 目次 ・ 最新 ・ ひとつ先  >
 
ARCHIVESARCHIVES TUNINGTUNING DATABASEDATABASE HOMEHOME Network RESOURCENetwork RESOURCE    DIARY