XJ900の爽快チューン
2008年5月25日 - 気筒間格差に合わせたキャブレターセッティング   
     
実験中。エンジンやリアブレーキの過熱が心配で、冷えるのを待ちながらだから時間がかかる。寒いときにしておけばよかった。
ピストンの動きを見るために作った
“穴あき負圧室カバー”をもう1個作り、#1と#2、#3と#4の負圧ピストンの動きを比べてみたのだ。
 その結果、レーサーのウォームア
ップ的な気持ちの良いブリッピングでは、グリップの動きと連動するように急開/急閉を繰り返すのに、じわじわグリップをひねっていったのでは、いつまでたっても (5000rpmまでしか試さず)負圧ピストンはリフトしない。ところが、両者の中間的な、実走行における追い越し加速時に近いグリップの動かし方をすると、#2または#3のほうが#1または#4よりも早い時期にリフトを始める。回転の上がりが速すぎないよう、軽くリアブレーキを引きずりながらや
ってみても、結果は同じだった。
 この実験によってわかったのは、
#1/#4より#2/#3のほうが吸入負圧が高い可能性があるということだ。

その原因は、180度先行する #1/#4の排気流速によって#2/#3の排気効率が高まり、吸気バルブが開いたときの混合気の動きが速くなっているからではないだろうか。
 以上、例によって素人の憶測の域を出るものではないが、原因はともあれ、#1/#4より#2/#3のほうが負圧ピストンのリフトが大きい(=より大量の空気が吸入されている)場面があるのは確かで、それに見合ったガソリンの増量が必要である。
 もちろん、負圧ピストンの底部にはジェットニードルがぶら下がっているわけで、リフト量が増えればガソリンも増量しているはずだが、これら2つの量の関係が、常に個々の気筒に最適な濃度の混合気を供給できるものかどうかは怪しい。今後しばらくはジェットニードルに的を絞
ってセッティングを詰めたい。キャブの完成は近そうな気がする。
 このところずっとこだわっている振動が、キャブレターセッティングだけでなくせるとは思っていない。180度クランクの並列4気筒エンジンにつきものの二次振動をキャブセッティングで消すことはできないし、前2/後ろ1・左右合わせて6箇所のエンジンマウントはすべてリジッドだし、フューエルタンク/ステップ/シート裏などのダンパーラバーは硬化しているし…と、悪条件が重な
っているのはわかっている。
 それなら、もういい加減にキャブ
セッティングは中断して、他の振動対策(制振/防振)にとりかかれば良さそうなものだが、なかなかその気にならない。たとえ振動対策にはならなくても、気筒間格差に合わせたキャブセッティングを詰めれば詰めるほどエンジンフィーリングが気持ちよくなることがわかってきたから、納得できるまでやるつもりだ。
 昨日までのセッティング変更と試走では、パイロットスクリューの戻し量もメインノズル(ニードルジェ
ット)のサイズも、#1&#4に対して#2&#3を濃い方向にしてみたときに好結果を得た。ではジェットニードルも濃くしたほうが良いのか…。これは予想が難しかった。
 そこで簡単な実験をしてみた。今のBSR37キャブに変えた直後、 負圧
穴あき負圧室カバーを#1&#2気筒に取り付け、負圧ピストンの動きを観察中。ピストン上面を白く塗り、見やすくしている。


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