XJ900の爽快チューン
2008年6月5日 - GX750の発見〜回想〜妄想   
     
 昨日、GX750(輸出名XS750)を発見した。鯖街道修理ツーリングに参加したtetsuさんがどうしてもGX750を手に入れたくなり、私も捜索隊の一員として京都方面の“心当たり”
のショップを覗いてみたところ、まるでタイミングを合わせたように整備完了目前の個体が見つかった。即座にtetsuさんに電話をし、 昨夜のうちに商談が成立した。
 同級生の兄貴のGX750(2型)や、お世話になったヤマハ京都のサービスマンの XS750スペシャルに乗せてもらう機会が多かった私は、DOHC空冷並列3気筒シャフトドライブの名車の“乗り味”を、今も忘れることができない。上物の最終型を発見した瞬間、 tetsuさんには内緒で自分が買ってしまおうかと思ったほどだ。
 心地よい鼓動を伴った加速感は、近年のH-D883スポーツスターに相通ずるものがある。最近の高性能エンジンの緻密に造り込まれた(悪く言うと作為的な)フィーリングとは異なり、豪快というよりは奔放で快活なエンジンは、細かなことを気にせず、気分よく加速が楽しめる。
 これと比べると最近の国産車は、日常域での加速の質感がどんどん落ちてきているような気がする。粗暴な加速をするマシンがなくなり、みんながよい子になってきた。お行儀良さは誉めてあげたいが、味わいとなると話は別だ。気持ちよさと気分

まるでtetsuさんに買われるのを待っていたような、整備完了間近のGX750最終型(1980モデル・3W8)。程度は非常に良い。
よさの違いみたいなものだろうか。
 体が感じる“気持ちよい”加速ではなく、乗り手の意識にまでおよぶ
“気分よい”加速こそ、 GX/XS750の最大の魅力であり、のんびりした(ゆっくりした、ではない)ツーリングの相棒にぴったりだ。
 前世紀末あたりから続くライダーの高齢化は、今後も止まらずに続いていくはずだ。その流れの中で、彼らの多くがH-DかBMWを選ぶのは、日本のメーカーが“のんびりしたツーリング”の相棒にふさわしいマシンを造っていないからではないか。H-
DやBMWに乗りながら、実はもう少し

操縦性が素直なほうが良い、足つき性が良くなってほしい、国産で良いのがあればそれで良い…などと思っているユーザーは少なくない。
 GX750を再生産したのでは 話にならない(エンジンは小改良で充分)だろうが、もうそろそろ、気持ちだけでなく気分まで良くしてくれる、新しいカテゴリーの国産車が現われても良いと思う。製造(国内生産でなくても可)とサービスは今のメーカーで良いが、販売店はレクサスみたいに別ブランドがいいなぁ…と、GX750の発見により、 夢みたいなことを考えた一日だった。


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