XJ900の爽快チューン
2008年8月15日 - にえ号RZ250との交換試乗(一昨日のツーリング後半の記)   
     
 田圃の畦道でコックの修理を終えた一行は、tetsuさんの「1リットルくらいもらいましたから、18kmくらい走れるはずです」の言葉を信じ、予定どおり安濃ダムを目指す。
 旧・芸濃町の中心地、椋本まで行けばガソリンスタンドがあるに違いない…と、バイクに乗りはじめた頃に安濃鉄道廃線跡を訪ねて椋本まで来たことのある元鉄ちゃんの私は心配していなかったのだが“18km”はともかく“1リットル”のほうはアテにしないほうが良かったようだ。
 椋本の集落内でJAのスタンドを見つけた私が振り返ると、500mほど後方の道端にtetsuさんのGX750が停ま
っていた。追いついてきたにえさんの言葉を聞くまでもなく、またガス欠になったのは明らかだった。
 500mなら押して歩いてもたいしたことはないが、この炎天下でのそれは、するのも見るのも辛い。そこで

ないドロドロッ・ブーンと小気味よく回るクマバチ二発か、にえさんの嬉しい悩みはさらに深まった。ここをお読みで、TX/XS650をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひにえさんに試乗させてあげてください。
 通り雨も止んだようなので、ここでにえさんのRZと交換し、地図で見つけた山道を名阪国道向井ICに向かうはずだったのに、途中で間違って
国道163号に出た京都の芹生峠に似た、くねくね狭い山道だった。
 にえ号RZに試乗するのは6月8日以来。あの日の交換試乗のおかげで自分のマシンのステアリングヘッドのオーバーホールをする気になった、ライバルというよりは操安性の基準である。2台同時に不調になれば別だが、どちらか片方が正常なら、相手のマシンに乗ることで自分のマシンの問題に気づくというわけだ。
 この日の2台は、ステアリングヘ

ッドの作動性では the two bests。驚いたのはにえ号のエンジンだ。以前よりもはるかに高回転域の振動が減り、回せば回すほどピタリと軸芯が出る感じ。こんな2ストに乗ったのは初めてだ。 国道163号を経て名阪の壬生野ICまで来ても返す気にならず、そのまま名阪国道に上がり、朝と同じ大内ICまでRZを堪能した。
 シフトタッチも感動的で、私のXJよりはるかに上質。今まで乗ったどのマシンよりも良いと断言できる。基本的な整備の良さに加え、ミッシ
ョンオイルを、アッシュのPSE GEAR
(エステル化学合成油と鉱物油のブレンド)から FSE GEAR(100%エステル化学合成油)に替えた効果は、私の想像をはるかに超えていた。
 大内ICでは、 雨男tetsuさんが連れてきた大雨のため、しばし雨宿りの後、東の空に架かった大きな虹に見送られ、それぞれ家路についた。
私は、自分のバイクに跨がって動力源にし、tetsuさんが跨がったGX750を足で推進してスタンドに運んだ。昔のメカニックはよく、プラクティスの最終ラップにプラグチョップしたマシンをピットまで運ぶのに、スクーターで推進していたものだ。
 3台とも、 いわくつきのJAのスタンドで満タンにし、あとは安濃ダムまでの田舎道を快走。ダムが見えた後は、期待はずれの短く荒れた湖畔の道を通過し、干上がった湖のほとりにある錫杖湖畔荘で昼食にした。
 ここでの会話は、ほとんど、最近2ストしかいじっていないにえさんを、 tetsuさんと私で洗脳しているような感じだった。さっき試乗したばかりの中低速でググッと押し出すクマゼミ三発か、まだ乗ったことの
手前から、GX750IV型(1980)、RZ250初期型(1980)、XJ900・4BB(1991)。私のXJが一番新しいとは驚きだ。


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