今日の“調教ツーリング”は、このところの私の行動には珍しく、かなり前から日程とだいたいのコースが決まっていた。というのは、黄色いカチカチ山号と名づけられた SRXに乗るハラ坊さんが岐阜からやってくると決まっていたからだ。 調教というのは、どこかの掲示板に、私が冗談で“鯖の女王様の調教を受けに来なさい”と書いたからであり、深い意味はない。以前から、鯖街道〜名田庄のルートを走りたいと思っていたハラ坊さんを、ここをホームコースとする私がご案内するというのが今日のテーマである。 鯖街道〜名田庄左回りルートの出発点は、いつも、名神高速京都東IC直近のドトールコーヒー併設のモービルのスタンド。予告した朝9時にここに集まったのは10人だった。 岐阜からは、 ともにSRXのハラ坊さんとほりさん。大阪からはXJ750EのOくんと、その仲間がZX12R、 スポーツスターXR1200、XLRバハ。 同じく大阪から RZV500Rで単独参加のとんさん。 今日はSRXではなくモンスターS2Rでやってきた神戸のOh!磯さん。そしておなじみ 奈良のkei-1さん(SRX)、 なぜか今日は唯一の京都組だった私…という陣容だ。 秋の全国ナントカ運動期間最後の日曜に、隊列の先頭を走るのは気が進まないが、案内役だから致し方ない。いつもどおり混んだ西大津バイパス〜湖西道路を安全に快走する。 昨日、レーザーテックで約20km走行した直後にスポーツデーモンに交換し、ほぼ同じコースを走ってみて今日のタイヤをスポーツデーモンに決めた。今朝、出発前に空気圧をいつもの前:2.3 / 後ろ:2.5kg/cm^2に調整し、Mr.グリップマンを塗ったばかりのスポーツデーモンは、やはり、レーザーテックよりも私の好みとこのマシンに合っているようである。極めて表情豊かに、そしてなぜか、従来にも増して極上の乗り心 |
| 朽木の道の駅は、今日は待ち合わせのための立ち寄りのみ。 SR500の奥さんとごいっしょの、となかいさん(R850R)と、 すっかり私のツーリング仲間になったXJ750Eのyajiさんが合流し、ここからは13台の大所帯となって“Cafe風音”を目指す。 5月4日にかわぐちさんと昼食に訪ね、すっかりこの廃校跡のカフェが気に入った私は、案内役の特権で、ここを昼食場所に決めていた。美味しいカレーを肴に、延々と続くバイク/パーツ/ライディング談義。放 っておけば夜まで続きそうだったので、皆さんを急かし、若狭西街道と国道162号を経て名田庄に向かう。 人家がまばらになってからの国道はとても空いており、道の駅の手前数kmの区間は、貸し切りのサーキット状態。ここで、ここでしかできないテストをした私は、車体まわりに新たな要改善点を見つけた。 たった1箇所、わずか数mではあるが、5速6000rpmあたりから直進状態で全開加速中に洗濯板状の路面の凹凸を拾ったとき、両手を振りほどくほど激しくハンドルが左右に暴れたのだ。レーザーテックならどうだ っただろう…という興味とは別に、もう少しこの速度域での安定性(外乱の収束性)も高めておきたい。 名田庄の道の駅では、メインイベントの交換試乗をした。私にとってのお楽しみは、 ハラ坊さんのSRXととんさんのRZV500Rだ。 ハラ坊さんのSRXは、さすがにキャブ仙人(NAG SEDの 永冶さん)の調教を受けているだけに完成度が高い。とくにキャブセッティングに関しては、私が今までに乗った多くのSRXの中で、 群を抜いた“ベスト”と断言できる。 いつもの交換試乗では、不調診断を頼まれた場合を除き、そのマシンの良いところを探り/味わいながら走る。ハラ坊号の場合は、それに加えて、ちょっと意地悪なテストもしてみたが、気になるような症状はま |
| チューンとは目指すところが違うのだが、狙いが明確で完成度が高いから、どう走らせ、何を楽しむべきかがよくわかり、実際そのとおりにできる素晴らしいマシンだった。 続いて試乗したのは、とんさんのRZV500R。一見STDふうだが、フロントまわりを他車純正部品に換装し、インナーチューブ径が41mm/フロントホイールが17インチ/ディスク径が298mm/キャリパーが異径4ピストンタイプになっている。リアホイールもSTDよりワイドである。 私はなぜか、ヤマハの2スト4気筒車に乗るのは初めてであり、どんなマシンなのかを楽しみにしていた。エンジンはほぼSTDらしいが、 そこは2スト500ccである。先々週のooさんのRG500Γと同じくパワーバンドに入ったときの加速は今も強烈だ。 だが、それよりも驚いたのは、スロットルを閉じたまま旋回に入っていくときの感触(私にとっては気持ちよさ)が、 私のXJ900に似ていることだ。ここのところが似ていると感じるマシンは珍しい。理由はまだよくわからないが、しばらくあれこれ考えてみる価値はありそうだ。 もうひとつ、良くないところも似ていた。フロントフォークの初期の動きすぎだ。乗らずに押して転がしながら、フロントブレーキをチョンとかける。そのときの動きが、大きすぎるというよりは速すぎるのだ。ご本人も、フロントまわりの改造当初は気になっていたが、慣れた後は気にならないらしい。その点も私と同じ。人のに乗せてもらって自分のマシンの問題点を思い出すのもまた交換試乗の良さのひとつである。 雨がパラついてきたので、ここで岐阜組とお別れし、京阪神奈良組は国道162号をを南下し、 分散しつつ帰宅。途中の九鬼ケ坂の下りでこの日ふたつめの問題(フロント全屈付近の良くない感触)を発見したのも調教ツーリングの副産物だった。 |