今日は作業時間が少ししかとれない。だからスイングアームの取りつけは後日に回し、短時間でできるリアブレーキマスターシリンダーのオ ーバーホールをした。スイングアームを外したままのほうがやりやすいから、今日の作業にはぴったりだ。 一昨日の写真の説明に、ファイナルギアケースを開ければこのマシンのすべてを制覇したことになる…と書いたのは間違いで、実はもうひとつ、入手以来手つかずだった箇所があった。リアのマスターシリンダーである。前オーナーの時代に分解整備をしたかどうかわからないが、少なくとも私はここを分解したことがないから、最低でも約8万km、7年間はノーメンテだったことになる。 今日届いたバイカーズステーション誌の巻頭特集によると、ここの整備をおろそかにするとヒドいことになるらしい。誌面の写真を眺め、覚悟を決めてバラしてみた。 ところが、ダストブーツを外し、プッシュロッドを抜いてみると、思 ったよりもずっと程度が良いことがわかった。な〜んだ、これならあと何万kmかは触らなくてもよかったかもしれない。サークリップとその周りに錆があるとはいえ、ロッド上端 |
| の凸部とピストン下端の凹部は、時間をかけて丁寧に擦り合わせをしたといった感じだし、引き抜いたピストンにも、シリンダー内壁にも、これといった異常はなかった。 ここまでチェックした後、サークリップ、本体のサークリップ溝、プ ッシュロッドなどの錆を落とし、ダストブーツにシリコングリスを塗って揉み洗いし、ピストンとロッドの球状接触面には二硫化モリブデングリスを塗って組み立てた。 マスターシリンダーと対照的に、ヒドかったのはブレーキペダルのピボットだ。ここは去年の7月の終わりに清掃と給脂をしたにもかかわらず、ほとんど油っ気がなく、カサブタ状の錆をはがすと、摺動面には鉄と鉄が無潤滑で擦れていたと思しきテカリが生じていた。すぐ上にあるマスターシリンダーとのあまりの程度の違いに驚いたが、水のかかりやすさに大差があるのと、ダストブーツの有無によるものだろう。 こちらはフレーム側の筒の内側を掃除し、これを機会に新品に交換したピボットシャフトに、溝部にはリチウムグリス、溝の両側の大径軸部(摺動面)にはスレッドコンパウンドペーストを塗って組みつけた。 |
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