XJ900の爽快チューン
2009年3月18日 - フロントフォークセッティング(その4)STDスプリングの動きやすさに感動
     
 この日は午後から鈴鹿に行き、スプリング/エミュレーター/ゴールドバルブなどレーステック製品の輸入販売をしているファクトリーフラ
ットアウトの高島さんを訪ねる予定だったので、午前中にスプリングをXJ900のSTDに戻した。数百kmしか走
っていないフォークオイル(アッシ
ュの58番)は交換せず、油面は標準よりも13mm上げの155mmとした。
 この状態で出発し、家から前の道に出るときにすでに、 0.78kg/mmの単一レートスプリングとの違いが判明した。 STDスプリングのほうが、マシンの動きが軽快なのだ。
 最後に STDスプリングで乗ったときとの違いは、フォークオイルが新しくなったことと油面が上がったこと。前よりいい感じなのは前者の影響だろうが、単ばねに交換したときに新品オイルを入れたから、17日の評価は “古いオイル+STDスプリング”と“新品オイル+単ばね”の比較であり、今日初めて“新品オイル
+単ばね”と “新品オイル+STDスプリング”の比較ができたわけだ。
 名阪国道(自動車専用道路)に乗るまでの間は、一般道のツーリングを想定して、ゆっくり走った。そうした状況では、単ばねのときと比べて、ステアリングヘッドの動きが敏捷になり、グリップを握る手に伝わ
ってくる情報(主に舵角変化と路面からのショック)も、豊富かつ嫌味のないものになっている。
 コーナー前半でのラインの安定度(どっしりした感じではなく、トレ
ース能力が向上したような感じ)が高まり、以前から感じていた“どんなに大きな半径のRでも描ける”に加え、“どれほどわずかな旋回半径の変化にも追従できる”という好ましいフィーリングが加わった。

17日のグラフを回転させただけだが、このほうが体感とマッチしやすい。沈下量よりも荷重に着目するのがセッティングの基本。
 コーナー後半では、リアまわりのオーバーホール以後の好印象はそのままに、旋回力を加減しやすくなっているような感じである。
 伊賀から関までの名阪国道では、以前にも増して衝撃吸収性と路面追従性が良くなったのが感じられた。ゼブラゾーンや三三七拍子ラインを越えるときの感触が気持ちよくて仕方なく、正しく整備し、アッシュの58番のフォークオイルを入れた STDフォークは、強いブレーキさえかけなければ、自分にとって満点以上の性能を持っていると再確認した。
 やはり私には、乗車1Gを中心に、±20kg程度の荷重変化に対する姿勢変化が大きめ/速めで、わかりやすいスプリングが合っているようだ。レートの低いスプリングほど、小さな荷重変化でもよく動くのは、上の図からも明らかだ。加減速や路面からの衝撃で変化するのは“荷重”であり、荷重変化の結果としてフォークが伸縮するのである。

 ファクトリーフラットアウトに着き、カートリッジエミュレーターのセッティングについてあれこれ教えてもらった後、昨日までのテスト結果や今日ここまでの走りの印象を交え、カートリッジエミュレーターは何としてでもSTDの2段レートスプリングと組み合わせて使いたい…と話すと、読者でもある高島さんの反応は“やはり…”という感じだった。
 そして、 外径29mmのSTDスプリングに適合したFEGV S3501を、最も小さい FEGV 2901(外径22.7mm)に交換し、最強から最弱まで全種類のリターンスプリングのセットを貸してもらうことになった。
 どうやら私が狙っているセッティングの方向性は、エミュレーター本来の使い方とは少々異なっているようだが、圧側減衰力をコントロールするためのバルブであることに変わりはなく、手間を惜しまずにセッテ
ィングすれば、 必ずSTDを超える性能が得られると確信している。


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