2009年4月28日 - フロントフォークの隅を突く(その3) | インナーチューブ位置とホイール間隔 |
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| ろとも締め”タイプである。カラーやメーターギアボックスが減寸すればフォーク間隔が縮まるし、アクスルナットの締めつけ力の大小によっても、動きに影響するほど左右のアウターチューブ間隔が増減する。 で、これを排除するためには、左右のアウターチューブ間に挟まれるパーツ群の合計長さを、アウターチ ューブの内〜内間の長さと揃えるためのシムを挿入するしかない。 ところが、シムの厚さを決めるのは大変だ。ノギスではうまく測れないし、最も動きの良い状態で内〜内の距離を測ろうにも、アウターチュ ーブ先端を固定するのが難しい。 で、ここから先は“秘術”というよりも“変態わざ”と呼ぶべきかもしれないが、ホイールの代わりに、圧縮したコイルスプリング(リバウンドスプリング)の反発力をかけたカラー群をアクスルに通し、アクスルナットを少しずつ回転させてはアウターチューブを上下させ、最も動きの良いときのアクスルナットの締めつけ位置をペイント&記録した。 次にホイールを取りつけて、フォ ーク間隔のことを考えず、普通にアクスルナットを締めつける。そうして、このときのアクスルナットの位置を、さきほどの位置と比べる。仮にそれが、ナットの回転角にして30度余計に締め込んだ位置だったら、 ネジのピッチが1.5mmだから、1.5× (30/360)=0.125となり、0.125mm厚のシムを左右のアウターチューブ間に入れれば良いことがわかる。 今回、私のマシンは、幸運にも通常のホイール締めつけ力のときにナ ット位置が一致したので、シムを入れずに取りつけ、完成とした。 |
世の中に“まっすぐ”も“まったいら”も存在しない。設計図上で直線や平面だったとしても、製造された物には必ず曲がりや歪みがある。インナーチューブも然り。精密測定で曲がりがわからなくても、それと “曲がっていない”のは別である。 で、27日に書いた“秘術”は、期待を抱かせるために書いただけで、別に大したことではない。 スタビライザーを取りつけた後、トップブリッジとアンダーブラケットのクランプを緩め、インナーチュ ーブを回転させただけのことだ。 上下にズレないように気をつけながら、インナーチューブを10度くらいずつ回転させてはアウターチューブ(左右のアウターチューブ+スタビライザーによる構造物)を上下に動かしてみると、明らかに上下動が軽くなるインナーチューブ位置がある。軽い位置を過ぎて再び重くなれ
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| めてしまうと元も子もない。 片側のインナーチューブの位置が決まったら、トップブリッジとアンダーブラケットで正しくクランプした後、反対側のインナーチューブで同じことをする。こうして、左右のインナーチューブを、最もアウターチューブの動きを妨げない位置にすると、動きやすくなっていたはずのフォークの動きが、さらに良くなっているのに気づくはずだ。 これは要するに、目に見えない、測ってもわからない程度のインナーチューブの曲がりが、左右のアウタ ーチューブ間隔に影響しない向きに揃ったということである。 あとは、この、驚くほど動きの良い状態をキープできるようにホイールを取りつければ完成だ。 XJ900のフロントアクスルは、 不幸にも、左右のアウターチューブをまとめて締めつける、名づけて“も | |
ば、インナーチューブを逆に回転させ、角度を減らしながら追い込んでいって、最も軽くなる位置を探す。 このとき、スタビライザー取りつけボルトを緩めてはいけない。アンダーブラケットのフォーク間隔を基準に、せっかくアウターチューブが最も動きやすい状態に取りつけたスタビライザーなのだから、ここで緩 | | |
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