今回は、実は5月5日にあれこれ試していたセッティングのまとめである。結論から言うと、正立型で筒穴式ダンパーを持ったフロントフォークとしては、 100点満点中80点くらいの満足度が得られたのではないかと思っている。今から思うと、3月末頃にセッティングを開始する以前の状態は(とくに不満がなかったとはいえ)50点にも達していなかったのではないだろうか。まさに“昨日の最善は今日の次善”である。 今の80点には及ばないものの、い ったん75点あたりまで高まった満足度が、フロントフォークの隅を突く(その1〜4)に書いたファインチュ ーニングの成果である摺動抵抗の低減によって低下し、以前よりもはるかに動きやすい状態に合わせた再セ ッティングが必要になった。 以前よりも動きやすくなったんだから、ダンピングを効かせる方向が |
| 良いかというと、そう簡単にはいかない。動きやすい→加速しやすい→流速が高まりやすい→ダンピングが効きやすい…というのは容易に理解できるが、ダンピングを強める→加速しにくくなる→流速が高まらない→ダンピングが効きにくい→ダンピングを強めたくなる…というループに陥ると、まるで泥沼状態である。 やはり、開口面積が一定のオリフィスによるダンピング特性の造り込みには限界があるようだ。 この問題を解決するには、おそらく、オリフィスからリリーフバルブへの移行ポイントを引き下げ、早い時期からリリーフバルブに仕事をさせるのが良さそうだ。そこでまず考えたのが、リリーフバルブスプリングのプログレッシブ化である。 現状のスプリングにはプリロードをかけず、もう1本、うんとレートが低く、コンマ何mmかで全屈するス |