マシンが調子良くなればなるほど走りのペースが落ちる…。少し前までの私はそうだった。ところが、昨日、フロントフォークの油面をチェ ックして間違いに気づき、当初の狙いどおりの高さに調整したのと、キ ャブセッティングを夏仕様にしたのの相乗効果により、昨夜の夜会への往復に始まった“開け開けモード” は、一夜明けても覚めやらない。 水蒸気量は多そうだが、どう見ても降りそうにはない空を眺め、少々寝坊したのを大いに悔やみつつ“え 〜い、行てまえ〜!”と、最短時間ルートで鯖街道を目指す。 フロントフォークの間違いとは、和歌山利宏のライテクコーチングの前日、左側インナーチューブを交換したときに、エア抜きが充分ではなく、 150mmに合わせたはずの油面が実は180mmだったことだ。 油面調整を、いつもと同じようにしたのが失敗で、インナーチューブを交換した場合は、その先端部のバルブ周辺にエアが溜まりやすく、念入りにエア抜きをしなければならないのに、それができていなかったのだ。つまりあの日は、8の字もサーキット走行も、右150mm、左180mmというアンバランスな油面で走っていたのだ。 それにしては、ホームストレッチから1コーナーへの進入などは予想 |
| 外に踏ん張ってくれていたが、両側とも正しく150mm(STDは 168mm)に合わせた後の走りは、もう少し弱めのブレーキングでの踏ん張り感が増し、低速コーナーでの旋回性も高ま っており、非のうちどころがない。 キャブセッティングは、このところの気温上昇に合わせ、パイロットジェットを17.5番から15番に変更、パイロットスクリュー戻し回転数を1+1/4から1+3/4に増やし、ジェットニードルクリップ位置は 2.5段から3.5段に変更するという内容だ。 これらのうち、メインはパイロットジ ェットの変更で、その補正のために他を少々いじってみたのである。 ジェットニードルクリップ位置については、まったく自信がなかったので、珍しく、途中で変更できる工具を持って走っていた。 今日の走りは、とくに鯖街道に入るまでの区間で、いつもとは大いに異なっていた。良くいえば和歌山流2軸理論の実践、悪くいえば傍若無人。近江大橋東詰〜琵琶湖大橋東詰間の湖周道路では先行する何台ものツーリング中のバイクをパイロンに見立ててスラロームし、琵琶湖大橋上では 100km/h近い差でCB1300SFや BMW R1200RTを抜き去った。 驚かせたみなさんごめんなさい。 琵琶湖大橋を渡ってから途中(地 |
| 名)までの間、そして途中から鯖街道を北上中に、何台もの古いアルフ ァロメオを抜いた。ベルリーナが、1300ジュニアが、スパイダーベローチェが、あるものはうっすら紫煙を吐きながら、あるものはテールを左右に振りながら、のんびりツーリングしている。どこかでアルファロメオの旧車ミーティングでもあるのだろうか。古いアルファ好きの私は、それらの後ろ姿を1台1台楽しませてもらいながら、 そしてわがXJ900の仕上がりに喜色満面になりながら、久しぶりの鯖街道を激走した。 道の駅まで行ってしまうと12時からの仕事に遅れそうだったので、今日はここで折り返し。復路はアルフ ァロメオ軍団もおらず、行楽帰りのクルマも少ない時間帯なので、足まわりとキャブの評価、そしてライテクの実践と確認にうってつけだ。人車とも、ここ半月ほどの間に完全に馴染んだメッツラー・レーザーテックが生み出す高い旋回力を味わいながら、朽木村井〜途中間を、おそらく過去最短の時間で駆け抜けた。 だが、初夏の長い一日は、これでは終わらない。リンドバーグ京都店 での仕事のあと、スパニッシュバー Gadesに立ち寄り、 暮れゆく空を眺めながら、朝方の激走で高ぶったままの気持ちをクールダウンさせた。 | |