XJ900の爽快チューン
2009年7月11日 - エキゾースト・スタッドボルトの抜け対策フレームの干渉を避け、リコイルを挿入
     
全長が長く、根元が六角形断面のドリルビットを買ってきて、電動ドライバーにセット。フレームに干渉せずに穴あけ完了。
 同時代の並列4気筒車の多くは、外側気筒の内側〜内側気筒の外側間にフレームのダウンチューブが通っているから、8本のスタッドボルトのうち4本のネジ穴にリコイル用タ
ップの下穴加工をする場合、通常のキリを使ったのではドリルのチャックがフレームに干渉する。そこで、長さが充分にあり、根元が六角形断面のキリを買ってきて、電動ドライバーにセットして穴を開けた。
 同じ理由でタップホルダーも使えないので、こちらは“押す”と“回す”を別の工具に分担させることにして、まずは“押す”専用の工具を作った。先端が欠けたのに、惜しくて捨てられず、手元に残していたベルツァーの+ドライバーをサンダーで加工し、先端を円錐状にした。続いて、それに合わせてタップの端面の穴(なぜか最初から小さな穴があ
った)をリューターで広げ、ドライバーの先が外れにくいようにした。
 ここまで用意すれば、あとは“回す”だけである。これには名案がなく、とりあえずウォーターポンププライヤーで挟んで回してみたら、思
ったよりうまくいった。たぶん、タ
ップの相手が軟らかいアルミの鋳物だったからだろう。でも、同じウォ
ーターポンププライヤーでも、物によっては思い切り握っても空回りして、うまくいかない。うまく回せたのはクニペックスのアリゲーター、うまくいかなかったのは(一時期ダブルネームで販売されていた)ファコム製SKブランドの製品だ。
 タップ立てが終われば、あとは簡
 エキパイをシリンダーヘッドに留めるためのスタッドボルト。これの折損はよくあることだ。錆びて緩まないナットを無理やり緩めようとしたり、エキパイ〜マフラーの取りつけ時に正しい手順で行わず、先にこの部分を固定してしまい、あとで後端部(マフラー側)をぐいぐいとコジったりすると簡単に折れる。
 そんなことは、自分で経験していなくても、カスノモーターサイクルでメカニック修行時代、私の師匠からさんざん注意されていたので、このスタッドボルトには常に特段の配慮をしていた。オーバーホール時には全数を新品に交換したし、古いのを抜きとるときにヘッド側のメネジに異常があった箇所には、新品植え込み前にリコイルを挿入していた。

 ともかく、感触が良くないとわか
った瞬間に締めつけを中止しなかったのは失敗だった。おそらく、フランジの大きなナットを使ったことにより、スタッドボルトに横向きの力がかかり、元々あまり状態の良くなかったヘッド側のメネジにダメージを与えてしまったものと思われる。
 で、エンジンをかけた瞬間に、そのメネジがズルッとナメてしまい、スタッドボルトが抜け出してきてエキパイが浮き上がり、隙間から排気が漏れたのが“バチバチバチ…”の原因だったのだろう。走っている途中でなかったのはラッキーだった。
 原因はともあれ、ナメてしまったものは仕方がない。リコイルを入れるのが最善の処置と判断し、それに必要な作業(リコイル用タップの下
 その後も、エンジンオイルの交換時や大がかりな掃除のときにはエキパイを外し、そのつど、スタッドボルトのネジ部とナット全体に防錆剤穴開け、タップ立て、リコイルの挿入)を、どうすれば安全/確実/迅速にできるかを考えた。できればシリンダーヘッドは降ろしたくない。単。リコイルを挿入し、スタッドボルトを植え込み、フランジ外径を小さく削ったナットを使ってエキパイを正しく装着し、対策は完了した。
を塗り、錆の防止に努めてきた。
 なのに今回トラブったのは、折れたのではないとはいえ、まったく恥ずかしい原因という他ない。外している間に、8個のナットのうち1個が行方不明になり、よく確かめずにXJ750Eに使われていたナットで代用したのが間違いだったのだ。
 同じ目的に使われる同じネジ径のナットでありながら、 XJ900の物よりXJ750Eの物のほうがフランジ部の最大径が大きいのである。こんなところのナット、同じ物に決まっている…と思い込み、XJ750Eから借用したナットを締め込んでいくと、なぜか工具を持つ手に伝わる感触が良くなかったのである。フランジが大きすぎ、普段は接触していない部分に座面が接触していたからだろう。
自作の“押し”専用工具で押しながら、ウォーターポンププライヤーで挟みながら回す。この方法で無事にタップ立ても終了。


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