XJ900の爽快チューン
2011年2月22日 - 最難関の端子箱内結線が完了。通電試験〜対策も終了   
     
1本のビスで留める丸型端子は最大2個”以外のルールはとくに設けず、テキトーに結線したわりには、まずまずの仕上がりはないかと思う。左半分の下寄りに見える黄/青/白/緑の太い線は、曲がりグセをつけるために熱収縮チューブを使用。青と緑の途中には整流ダイオード、白には抵抗が入っている。
“ほんまにできるんかいな…動くんかいな?”と、半信半疑のまま、とにかく箱に入ってくる配線に片っ端から丸型端子を取りつけ、端子台にネジ留めしていって、何とか56本すべての結線が終わった。
 その後、始動・発進安全回路に入る2個のダイオードと、ブレーキスイッチの漏れ電流対策の1個の抵抗

を取りつけた。これらがすべて正しく取りつけられていないと、通電しての動作確認はできない。
 昼間、もっちゃんisaスプロケ
ット
に遊びに行ったりしていたので作業再開が遅れ、抵抗の取りつけを終えたのは午後10時をすぎていた。幸い、この日は夜の冷え込みも和らいでおり、続いて通電試験をした。

 少しずつテストをしながら完成させていったフロントの継電器箱とは異なり、こっちは途中の確認なしで完成させた後、初のテストである。
 そらあもう、ドキドキしましたがな(笑)。通電試験ったって、どこから手をつければいいかわからないので、とりあえずテスターの測定レンジをオームに合わせ、赤い棒を電源
電工用ニッパがないので、配線の被覆剥きにもクニペックスの小型ニッパを使用。まずは、切れない程度に刃形をつける。続いて、刃形の溝の端の部分に、被覆厚さの半分以上切り込むつもりで刃先を当て、引っ張りながら切れ目を入れる。反対側にも切れ目を入れた後、両側の切れ目にそれぞれニッパの刃を引っかけながら、左手の親指でニッパを遠ざける。
の+、黒い棒を−ラインに当ててみた。ここで針が振れる、いや、テスターが表示する抵抗値が変わるようだと、短絡や漏電の疑いがある。
 幸い何事もなかったが、念のために棒を入れ替え、赤→−、黒→+で測定。こちらもテスターの反応はなく、通電しても大丈夫のようだ。
 が、それでも心配なので、今度は

テスターの測定レンジをDC10アンペアに合わせ、赤い棒をバッテリーの
+端子に当て、黒い棒の先端で、恐る恐る電源の+ラインを“チョン”
と触ってみた。やはりテスターの反応はないので、これなら大丈夫…とばかり、電源の+ラインをバッテリ
ーの+端子にネジ留めした。
 続いて、電源の−ラインの先端を

指でつまんで、バッテリーの−端子に、これまた“チョン”と触ってみた。“パチッ”と火花が出るんじゃないかと期待したのに(笑)、何事もなく、ほっとする一方で、やや拍子抜けしたのも確かである。
 電源の−ラインをバッテリーの−端子にネジ留めしたあとは、車検前整備の要領で、点火系と充電系以外
刃形の溝がついたところ。ときどき銅線が見えることはあるが、鋭すぎない刃のおかげで、銅線を切ってしまうことはない。溝の端に切れ目を入れたところ。深く切り込みすぎると銅線が切れるので控えめにし、足りないときはカッターで追加工した。無事に被覆が剥がれた配線の先端。このあと、必要に応じて銅線の先を切りそろえ、端子を圧着する場合は指先で撚る。
(要するに信号/照明/始動系)の作動を、考えうるすべてのスイッチ位置の組み合わせでテストした。
 そのときである。ヘッドライトの点灯/消灯に合わせて、どこかから
“コン/コン”という音が聞こえるのだ。フレームに手を当ててみると明らかに振動を伴っている。最初はスイッチの機械的ショックが共振し

ているのだろう…で済まそうとしたのに、ハンドルが振動しないのにフレームが振動するのは変である。
 音源を探ろうと、車体の周りのいろんな場所に立ってパッシングスイ
ッチをON/OFFさせても、まったくわからない。ロングブレードのドライバーを聴診器にして、先端をマシンの各部に、グリップエンドを耳に当

てても、どこからも同じような音が聞こえ、発生源は特定できない。
 そこで役に立つのは助っ人だ。できれば先入観を持っていないほうがいい。そして、もっと重要なのは、急な頼みを嫌がらずに聞いてくれるヤツ(笑)…というわけでテスターに抜擢したのは娘B(高2)である。
 興味津々でガレージにやってきた
ケーブルグランドの附属パーツから“5穴ゴムシール”を選び、イグニッションコイル1次側の4本とクラッチスイッチの2本を通した。束ねた配線を90度タイプのケーブルグランドに通すときは、ステンレス線をからげ、その先端をパイロットにして引っ張り上げた。懐の深いチャンネルを使ったおかげで、サブハーネスの束の大半をチャンネル内に収容することができ、見苦しくならなかった。
彼女は「バイクの右よりも左に立ったときのほうがよく聞こえる」と言いながら、M6の六角穴付きボルトに片っ端からドライバーの先端を当てて(あとで聞くと、六角穴にドライバーの先を引っかけやすかったとのこと)聴診して回り、しばらくして「ここや!」と、声を上げた。
 それは、エンジン左側にあるジェ

ネレーターカバーを留める3本のボルトのうちの1本だった。
 そんなとこから音が出るわけね〜よ…と思いつつ、ドライバーを当てて音を聞くと、なるほど、ここが最も音が明瞭で「コン/コン」ではなく「カチ/カチ」と鳴っている。予想外の事態に、しばし考え込む私に「おと〜さん、ここ開け〜な。私が

これで開けたげよか?」と娘の声。見れば、聴診器に使っていたドライバーを持ってニヤニヤしている。もちろん、そんな道具で開けてはいけないのを知ったうえで、手の遅いオヤジを急かしているわけだ(笑)。
 で、カバーを開けると、音は止ま
った。発生源がわかったのと引き換えにオヤジの悩みは深まった(笑)。
悩んだ末に考案した整流用ダイオードと抵抗の取りつけ方法。まずは適当な長さに“足”の先端を斜めにカットする。配線(この場合は0.75スケ)の被覆をライターで温めて軟らかくした後、ゆっくり回しながら徐々に“足”を差し込んでいく。両側の差し込みが終われば熱収縮チューブでカバーする。炎の先端は温度が高すぎるので、炎の中に配線をくぐらせる。
 試しにカバーを取りつけると、また異音。再び外すと消音。なんじゃこりゃ…。寒いので、娘を家に戻らせて、オヤジ一人で考え込む。
 このへんで動く物といえば、ブラシしかないな…と、励磁式発電機のブラシ(カバーの裏側に取りつけられている)を指で押し込んでみた。ブラシスプリングの反力は正常だし

押し込み/戻りの動きともスムーズで、問題はなさそうである。ところが、次にカバーを取りつけると、音は止まっていた。その後はもう再現不能で、推論するしかない。
 おそらく、ヘッドライトの点灯による消費電流の増加を検知したレギ
ュレイターが、発電量を増やすべく励磁電流を流し、それが、ローター

との接触状態が悪化していた(1年以上放置すれば、あり得る)ブラシ先端に流れ、接触状態が変化して音が出ていたのだろう。
 迷惑を省みずに“コンプライアンスかわぐち師匠”に電話をし、状況と推論を説明して同意を得たので、この件はこれで納得することにして残りのテストを続行した。
通しただけで充分とは思いつつ、抜け止めを狙ってハンダづけすべく、被覆の一部を半周ほど、写真のように切り取った。被覆を切り取り、露出したダイオードの“足”の部分にハンダを1滴垂らす。今回新調した30Wタイプのハンダごてが活躍した。熱収縮チューブで配線と丸型端子の首下をカバーし、温かいうちに曲がりグセをつけたまま、冷えるまで待てば完成である。
 ブレーキレバーとブレーキペダルの動きに合わせて、ストップランプとストップランプ用SSRの黄色LEDがちゃんと点灯したのには、当たり前のことなのに、少々感動した。
 ハンドル右側のライトスイッチを
“PO”にすると、ポジションランプとテールライトと、 それ用のSSRの黄色LEDが点灯する。うしし(笑)。

 だが、最後にテストした始動・発進安全回路は、一発合格ではなかった。スターターモーターの−リードがエンジンアースを兼用するワイヤリングで、スターターモーターを外せばエンジンのアースがなくなり、ニュートラルスイッチの−側がアースに落ちないのが原因だった。
 で、間に合わせの配線でクランク

ケース〜バッテリーの−端子間をつないだところ、 正常(8月30日に書いた条件に合うときのみスターターに給電可能)作動した。
 点火系と充電系のテストは、エンジンを実際に始動しないとできないので、しばらく先送りにし、それまでの間に、電装系の最終仕上げと車体各部の整備を進める予定である。


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