XJ900の爽快チューン
2011年3月28〜30日 - 次号RACERSにXJ750R(OU28)が登場   
     
1984年の鈴鹿8耐に出場し、残り10分でストップするまで4位を走ったXJ750R。ヤマハ初のワークスTT・F1レーサーである。
スパイラルベベルギア軸を改造(延長)してスプロケットを設け、チェーンドライブ化。手前のカバーにベアリングを追加している。
もとが4軸エンジンのため、クランクをSTDと反対の逆回転化。このため、カムチェーンテンショナーはシリンダー前側にある。
 次号RACERS(1カ月遅れの5月24日発売に決定)の主役は、1985年の鈴鹿8耐でケニー・ロバーツ/平忠彦組が走らせ、ドラマの主人公となったヤマハのワークスTT・F1レーサーFZR750(OW74)である。
 誌面では、OW74のベースとなった市販車FZ750の開発〜FZ750とその改造車によるレースに大きな影響を与

えた、ヤマハ初代のワークスTT・F1レーサーXJ750R(OU28)にもスポットを当て、さらに、XJ750Rを皮切りに、以後のワークスTT・F1マシンの開発ライダーを務めた上野真一さんのインタビューも盛り込むという、XJファンにも充分に満足していただける内容になる…はずである。
 で、そのXJ750Rは、1984年の8耐

で、河崎裕之/上野真一組が走らせたマシンである。残り10分(スタートから7時間50分)の時点で4位を走行中にエンジントラブルに見舞われたものの、ピットインせず、コントロールライン手前のストレート上に停車してチェッカーが振られるのを待つという上野さんの機転によって5位入賞を果したのは、古くからの
キャブレターはミクニ製マグネシウムボディのTMタイプ。スロットルバルブ断面は凸型で、パワージェットと加速ポンプを装備。変更不可のバルブ数は気筒あたり2本のままでツインプラグ化。マグネシウム製のヘッドカバーはリジッドマウントに変更。
レースファンには懐かしい、思い出の名場面のひとつである。
 XJ750R(OU28)の開発は、1982年に始まり、当初はワークス態勢ではなく、和歌山利宏さんをライダー兼リーダーとする生産車部門が手がけており、豪雨で6時間に短縮された82年の8耐で4位に入って注目を集めたのもまた懐かしいシーンだ。

 そんなわけで、 3月28〜30日の撮影と取材では、主役のFZR750よりも個人的に興味深いXJ750Rの観察と質問にも時間を割き、84年の実戦走行以後ベールに包まれたままだったこのマシンについて、多くの新しい発見があったのは、これぞまさしく役得という他ない(笑)。
 正真正銘のワークスマシンである

84モデルは、残念ながら個人レベルで真似のできるものではないが、エンジンに関しては、ここまで手を加える土台としてのポテンシャルを持
っていたとことがわかったのは、XJファンとしては嬉しい限り。
 今後も、少しずつ(XJ750Rにもヤマハにも限らず)かつてのワークスマシンの謎を解明していきたい。
クラッチは、マグネシウム製の専用ケースカバーを用いて乾式に換装。こちら側にもクランクケースブリーザーを設けている。点火時期検出を、のちのFZ750などと同方式にしたうえで、クランクの潤滑をセンター給油方式に変更してロス馬力を低減。


<  ひとつ前 ・ 目次 ・ 最新 ・ ひとつ先  >
 
ARCHIVESARCHIVES TUNINGTUNING DATABASEDATABASE HOMEHOME Network RESOURCENetwork RESOURCE    DIARY