XJ900の爽快チューン
2011年8月18日 - 49547kmぶりにファイナルギアオイルを交換。ASHのPSEからFSEに   
     
5年間、5万km近く使用したPSE-GEARを抜いているところ。見た感じも触った感じも、まだまだ使えそうではあった。マグネットつきドレンボルトを抜いたところ。ネジ部に埋め込んだマグネットから延びる4本の鉄片が摩耗粉を吸着・捕捉する。
 シャフトドライブ車の長所は、チ
ェーンのような頻繁なメンテナンスが不要な点である。数万kmごとのオイル交換(それも わずか200ccである)以外、なにもしなくてよく、それでいて各パーツの寿命は非常に長く、数十万kmは持つはずだ。
 上に“数万kmごとのオイル交換”
と書いたのは、自分のこれまでの実績に基づくもので、XJ750/900などのサービスマニュアルでは1万kmごとの交換が指示されている。
 いっぽう、私がファイナルギアオイルを交換したのは、 このXJ900では5回目。これまでの交換インターバルは、 16615、17142、19076、そして今回の49547kmである。

 最初の2回は新品時から真っ黒な(おそらく添加物の色)ペンタルーブのギアオイルであり、交換時にどれくらい汚れていたかがわからず、底部のドレンボルトをマグネットの入らないアルミ製の物(現在、フィラーキャップに使用)に交換していたこともあり、ただなんとなく気分で替えていたにすぎない。
 ところがこのペンタルーブのギアオイルには問題があった。ギアケース上部のブリーザーから噴き出すことがあったのだ。冬場に多かったから、おそらく、ケース内で撹拌されて糸状になったオイルが油面よりも上のケース内壁に付着・積層してブリーザーを塞いだ状態になり、そこ

に、運転による高温で上昇したケース内圧がかかり、空気とともに外部に出ていたのだろうと思われる。
 で、この問題を解決すべく、3回目は、ペンタルーブほど粘り気がないモチュールのギアオイルを使用した。これは正解で、ブリーザーからの噴き出しは気にならなくなった。
 モチュールのギアオイルを入れたとき、ドレンボルトをマグネットつきのアルミ製ボルトに交換。それまで使っていたマグネットなしのアルミ製ボルトはフィラーキャップ(それまではSTDの鉄製)に使用した。
 モチュールからアッシュへの交換は、アッシュのエンジンオイルの驚異的な高性能を知ってしまったから
粉になった鉄を集めるだけなので磁力は弱く、布で拭き取るだけでほとんど取れる。摩耗粉の量は前回よりも少なかった。フィラーのメネジが浸かるところまで新油を入れた後、注射器を用いて油面をメネジの最下部(マニュアルどおり)に合わせる。
には、ファイナルギアオイルでも試さずにはいられなくなったから…というのが正直なところである。
 ただ、そのときに入れたアッシュのギアオイルは、今回のFSE(100%エステル化学合成油)よりも格下のPSE(エステル化学合成油と鉱物油のブレンド)だった。FSEではなくPSEにした理由は、単に値段が安かったから。現行価格だと、5,628円/LのFSEに対し、PSEは3,108円/L(消費税込み)と、45%も安いのである。200ccしか使わないのに1リットル缶を開けるのにも抵抗があった。
 で、前回の交換時に、アッシュのPSE-GEARに交換すべく、古いオイルを排出し、ドレンボルトのマグネッ

ト部に付着した摩耗粉を観察したところ、 私のXJ900は1万kmや2万kmでファイナルギアオイルを交換する必要はなく、もっとロングインターバルで大丈夫だろうと考えた。
 その後5年間、まもなく5万kmというところで、これまた、ただなんとなく交換したい気分になり、今度こそ最上級のFSE-GEARを試すべく、策を練った。そして、1リットル缶を4〜5人でシェアすることを思いついて、1本5,628円の缶を開けた。
 5年間、49547kmの使用を終えて出てきたPSE-GEARは思ったよりきれいで、ドレンボルトのマグネットに付着していた摩耗粉も、前回の交換時よりも少なかった。 これなら、5万

kmと言わず、もっと距離を伸ばしても問題はなさそうである。
 ただ、気をつけなければならないのは、ファイナルギアオイルが潤滑している金属パーツは鉄製のギアのみで、エンジンオイルのようにアルミの摺動部分がないことだ。したが
って、摩耗粉は全部マグネットに捕捉され、エンジンオイルのように黒くならない。フィラーキャップから覗いたオイルが黒くなっていなくても、安心はできないわけだ。
 ともあれ、今回の交換と点検により、 今後、少なくとも5万kmは安心して走ってよさそうである。残念ながらPSE→FSEの変更による走りの違いは、まったく体感できなかった。


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