6月19日。
猫背ベッドだったので寝苦しかったが
朝はちゃんと7時半に目が覚めた。
手動ドアのエレベーターで1階に下りると
宿のマダムが「プチデジュネ ナントカカントカ…」と言って
裏庭に案内してくれた。
まわりを白い壁で囲われた、小さな庭だった。
壁にはつる草がからまり
見たことのない紫色の花をつけている。
ここでも、やはりフランスふうの朝食だ。
どうやら、泊まり客の半数はイギリス人の団体さんみたいで
覚えたてのフランス語をおもちゃにして遊んでいる。
中庭のテーブルは、客の数の半分もなかったので
早目に朝食を切り上げて表に出た。
海岸通りの朝は
アルプスから下りてくるひんやりした空気に包まれて
昼の暑さからは想像できない爽やかさ。
ジョギングしている老人や
犬を連れて散歩しているご婦人が多い。
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3月のPromenade des Anglais。
なぜかニースでは
マトモな写真を撮ったことがない。
iさんがいるから
いつでも来れるという
気の緩みが原因だろうか。
何度も行っているのだが
そういえば、カメラをブラ下げて
ニースの街を歩いたことがない。
次に行くときは
しっかりと写真を撮ってこよう。
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“Promenade des Anglais”とは
アングロ人の散歩道というような意味。
昔、ニースにやってきたアングロ人は
好んでこの海岸沿いを散歩したのだろうか?
陽射しが強くなってきたので部屋に戻り
コンピュータに向かった。
こういう時間の使いかたができるホテルはありがたい。
チェックアウトは正午までだから
連泊しなくても
部屋に荷物を置いたままでかけることができる。
その気になれば、半日観光だってできる。
ま、午前10時チェックアウトだって
荷物を預けて出かければいいのだが
それとこれでは、気分の自由度に大きな差がある。
12時ぎりぎりまで部屋でねばってアクセスし
レセプションでキーを渡したときには12時15分になっていた。
パーキングから車を出し、荷物を積んで、いざ出発。
おっと、ガソリンがない!
1ブロックぐるっとまわってプロムナードに出
ビルの1階にあるガソリンスタンドに入った。
ガソリンにはいろんな種類がある。
国によって呼びかたもさまざまだ。
ヨーロッパでは、まだ
有鉛ガソリンを必要とする車も走っているから
無鉛と無鉛ハイオクの他に
有鉛ハイオクや軽油を置いているところが多い。
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ドイツ語で無鉛はbleifrei。
写真のポンプは、左から順に
日本でいう無鉛ハイオク
無鉛(レギュラー)、有鉛ハイオク。
無鉛ガソリンのホースは
ヨーロッパじゅうどこに行っても
緑色に統一されているので
セルフサービスでも
間違える心配はない。
さらに言うと
無鉛のクルマの給油口は小さく
ノズルの太い有鉛ガスは
入れようとしても入らない。
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無鉛はフランスでは“Sans-Promb”だ。
鉛がないという意味である。
オクタン価を示す数字がそれに続き
スタンドには“Sans-Promb 95”とか
“Sans-Promb 98”と書かれたポンプがある。
ボクは今まで“95”を使っていた。
日本でいうレギュラーってやつだ。
トヨタだって、無鉛ハイオクが出はじめた頃
“ウチの車はレギュラーで
十分な性能を発揮するように作っています”
なんてアナウンスをしていたから
(今は無鉛ハイオク指定の車種が増えている)
ドイツフォードの中堅クラスには
“95”で十分だと思っていた。
ところが、ガソリンスタンドで見ていると
もっと安物の車なのに
“98”を入れている光景をよく見かける。
こういうことに関しては異常に細かいドイツ人だって
“98”を入れていたから
性能は変わらなくても
ひょっとすると燃費が良くなるのかもしれない。
ここで初めて、ボクも“98”ユーザーになった。
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