2月11日の慣らしツーリングのときに“敏感になっている”と感じて以来、ずっと気になっていた点火時期。その後、プラグをブリスクからNGKのBP7ESに替えてみたり、ブリスクに戻してみたり、ピックアップコイルのベースを回転させて、全体に進角角度を増やしたり減らしたり、いろいろやってみた。 根本的解決にならないのはわかっちゃいるが、現状のパーツでできる最善のセッティングを出しておけばあとで必ず役に立つ。 3月22日の“鯖街道走り初め”には、プラグをブリスクにし、進角度数をSTDより4度増やして参加した。結果はその日の報告のとおり。全閉の 4500〜3800rpm間で出る微振動さえ何とかなれば、どんな回転数/スロットル開度でも、少なくとも大きな不満はない。 で、その後、 STD比で10度まで進角度数を増やしてみた。今のキャブ(BSR37)を装着した後、45日間かけて到達した“個人的パーフェクトセ ッティング”のときと同じだ。 オーバーホール後、+10度を試さなかったのは、 0.5mmオーバーサイズの新品ピストンを入れたり、ピストンリングを新品にしたり、バルブシートカット+擦り合わせをするなどで、以前より実圧縮比が高まっているはずだからだ。 圧縮比を高めたり、混合気濃度を濃くしたりすると、圧縮された混合気中のガソリンが増え、燃焼しやすくなる。つまり、点火時期は、どちらかというと遅くする方向である。 |
| にもかかわらず、以前と同じ+10度で好結果が得られたのは、グリップを全閉にしたときのスロットルバルブの開き具合(アイドル調整ネジで決まる)が、オーバーホール前と後で異なっているのが原因か。同じ全閉でも、今のほうが燃焼室に入る混合気の量が少なく、圧縮比が高くなった効果と相殺していれば、同じ点火時期で良い理由にはなる。 +10度にして走ってみると、全閉の 4500〜3800rpm間の微振動は、かなり低減した。他の回転数/スロットル開度では+5度のほうが良いところが多いが、こちらの悪化はあちらの改善よりも小さいので、現状のベストは+10度だろう。 で、さらに良くなることを期待して、PS戻し回転数をいじってみた。つい最近、進角特性の問題をキャブでごまかしたくない…みたいなことを書いた覚えがあるが、まあ“舌の根も乾かぬうちに”の常習犯だということは、みなさんご存じのはず。 結局、0.25回転ずつ締め込んでみて、鯖街道走り初めのときよりも半回転締めの1.25回転戻しで好感触を得た。しかし、気分的に、PS戻し回転数は1.5〜2.0の範囲で使いたいので、近々、パイロット系のセッティングを変えてみようと思っている。 さて、これでだいたい、現状の進角特性を基に、エンジン回転数とスロットル開度の変化に合わせて、どれくらい進角角度を増減させれば良いかが見えてきた。ところが、もう一方の疑問である“プラグによる着火性の差は、点火時期でカバーでき |
| るか”が、未解明のままだった。 手持ちの参考書を読んだり、ASウオタニのHPや太田安彦さんのHPを覗いたりしても、プラグの違い(主に火花間隙の大小)や放電電圧の違いによる着火性能の差については書かれているが、火がついた後の混合気の燃焼の進行に与えるプラグの影響には、直接的な記述はない。 もちろん、混合気の燃焼の進行を決めるのは混合気そのものの状態である。だが、もしもプラグや点火電装系が影響をおよぼすのは着火性だけで、その後の燃え広がりには影響をおよぼさないのだとしたら、プラグの違いは、点火時期の違いと同じ効果しかないということになる。 いや、まあ、それでも別に困りはしないが、ブリスクを装着したときのエンジンフィーリングは、点火時期をどういじっても、NGKのBP7ESでは得られない。やはり、プラグは、着火性だけでなく、その後の混合気の燃焼の進行にも大きな影響を与えているのではないか。このことを、体感だけではなく、何とか理論的に納得したかった。 悩み続けた私は、思い切って太田安彦さんにメールで質問した。質問のしかたが悪かったので、最初にいただいた返事には、プラグの違いは着火性(火炎核の成長具合)と失火しやすさの差として現われる…とい ったことしか書かれていなかった。 ここで引き下がるのはもったいない。せっかくのチャンスだから、もう一度…と、図々しく2通目の質問状を送った。(つづく、かも) |