yajiさんを見送った後の4人は、RZ250、XJ900、XJR1200、ルマン3という奇妙な隊列を組んで鯖街道の続きを走る。久しぶりに乗せてもらったRZにえ号は、以前よりも格段に各部のファインチューニングが進み、操作系のスムーズかつ節度感あるフ ィーリングは、とても28年前のマシンとは思えないのはもちろん、今どきの新型車よりも良好でさえある。 ベタ寝かせをしないコーナリングでの安定感・安心感は高く、初期型RZ250の車体であることを 忘れてしまいそうだし、低回転から力のあって扱いやすいエンジンは、古い2ストロークとは思えない。きっちりしたメンテナンスと狙いを明確にしたチューニングの相乗効果で、ここまで近代的かつ気持ちよく走れるマシンに変貌したのには驚いた。 欲を言えば、力は出なくても、もうちょっと高回転域では軽やかに回り、低回転ではツキの良いエンジンだといいなぁ…。全体に燃調が濃いのかもしれない。 福井県に入って間もなくのところにある熊川の道の駅で小休止。ひとりでこのルートを走るときには通過することが多いポイントだが、この日はセッティング&ツーリングだから、だれかがどこかをいじりたがっているかもしれないので、駐車場に入った。でも、停まってみるとその必要はなかった。真冬と同じダウンジャケットを着ていた私以外の3人は寒そうだったので、むやみに停車時間を延ばさず、すぐに出発した。 ここでまたライダー交代。 tetsuさんと私が ルマン3とXJ900を交換し、にえさんとむらかみさんがRZと |
| XJR1200を交換した。ルマン3で走りだして数kmは、車齢を考えるとこんなものか…と思い、いたわりながら走っていたのだが、それにしても変である。 850ccも排気量があれば、普通に動いている限り、もうちょっと加速するはずだ。さっきまで乗っていたRZのほうがうんと速い。 それに、加速時の振動が大きすぎやしないか…。若狭西街道の長い下り坂で充分に速度を乗せ、坂の後半でスロットルを開けたり閉めたりしてみると、全閉付近では回転数に関係なく振動が減少するのに、開ければ必ず不快な振動が発生する。 左右どちらかのキャブのメイン系がうまく働いていないに違いない。片肺とまではいかないが、ちゃんと仕事をしている片側の気筒の足を引 っ張らない程度にしか、反対側の気筒は仕事をしていないようだ。 国道162号 に出る手前の空き地に停車した私は、 この推論をtetsuさんに告げ、その場でキャブの点検が始まった。このときの模様は、ご本人がブログで報告されているので、原因のみ簡単に書いておくと、本来スロットルバルブのスプリングで押さえられているはずのニードルセットプレートが何かのはずみで浮き上がり、クサビのようにスロットルバルブの内壁にひっかかったまま戻らず、そのぶんだけジェットニードルが浮き上がっていたのだった。 本日2台目の修理は、こうして無事に完了し、ここから名田庄の道の駅までの区間(鯖街道よりもテストに好適)は、私がどうしても自分のマシンで確認したいことがあったので、みんなそれぞれ自分のバイクに |
| 乗ってスタートした。 この区間は、鯖街道ほどの爽快感はない代わり、路面状態が非常に良く、高エネルギーの物体をコントロ ールする充実感を味わいつつ、高速コーナーにおけるエンジンと車体の反応を確かめるのに最適だ。 我が XJ900のエンジンは、走行状態によっては抑えたい(軽微な)振動が出るものの、加速感・減速感だけでなく、スロットル操作と車体の反応とのバランスも過去最高。少々セッティングには苦労したものの、やはりASウオタニのSPIIフルパワーキットが、これまでの“爽快チューン”の効果をさらに高めてくれているのは間違いない。 名田庄の道の駅で、またライダー交代。今度はむらかみさんと私がマシンを交換して美山の道の駅(牛乳広場)に向かった。むらかみ号は、1カ月前に乗せてもらった後、 NAGの内圧コントローラーを装着。エンジンが、さらに開けやすく、ぎくし ゃくした動きのない上質なマシンに変化していた。ただ、あまりにスム ーズなため、設定速度域が XJ900よりも高い足まわりを制御するのが私の技量では難しく感じられ、この区間の山道を速く走らせることができず、 XJ900に乗って先行するむらかみさんに追いつけなかった。 その後は、 牛乳広場でtetsuさんがにえ号とむらかみ号に試乗し、セ ッティング、修理、交換試乗、そして楽しくディープなおしゃべりに彩られたこの日のツーリングは、高揚した気持ちと心地よい疲労感に満たされたまま幕を閉じた。あ〜、ますますやめられまへん。 |