XJ900の爽快チューン
2008年5月13日 - バイパス(スローポート)とメインノズルのつながりと重なり   
     
 オーバーホール完成後2カ月以上経って、唯一未解決の問題が3500〜4000rpm の振動(数十Hzの微振動)である。フロートレベル(油面)を下げて改善の方向に向かったのに気を良くして、しばらくはキャブセッティングをあれこれ変えて、良い方向を探ってみることにした。
 …といっても、まずは、限られた時間と手持ちのパーツでできる組み合わせからである。油面を下げて良くなったのだから、混合気濃度を濃い方向に振って改善するとは思えない。そこで思い切ってメインノズル(ニードルジェット)をP-6からP-0に替えてみた。レース用キャブのストレート径変更に相当する。
 上に“思い切って”と書いたのにはわけがある。 去年の3月にSTDのBS36からXJR1300用のBSR37に換装した後の45日間にわたるセッティングの中で、 決め手になったのがP-0からP-6への変更だったからだ。 パイロット系(スロー系)とメイン系のつながりを良くするのが目的だったから、逆の変更には抵抗があった。
 が、とにかくやってみた。結果は悪くなかった。振動は微減にすぎないが、 2500rpmあたりからの加速がスムーズになった。続いてパイロットエアジェット(スローエアジェット)を#145から#120に小さくしてみたところ、これは大当たりだった。明らかに振動が低減し、それまで少し力の足りない感じだった 2000rpmあたりの力感が増大し、良く言えば
“うねり”のない、悪くいえば一本調子の加速感が感じられた。
 キャブをBSR37に換装した約1年前と今とで異なるのは、オーバーサイ

ブリスク(左)の側方電極に付着していたカーボンが剥がれはじめ、地肌が見えてきている。NGKでも同様の変化が見られた。
ズピストン(+0.5mm)を入れたことにより圧縮比がわずかに高まっていることと、 XJR1300用のASウオタニ製SPIIフルパワーキットの装着により進角特性が激変していること。この2点だけである。キャブレターセッティングがこれほど変わってきたのは、後者の影響が大きそうだ。
 ともかく、以前よりもトップエンドを除く全域を少々薄めにし、その中でメイン系の前半はさらに薄く、パイロット系の後半は濃く・後ろに引っ張る方向が合っているようだ。
 続いて、ダイアフラムスプリングを、4巻カットからSTDに戻した。4巻カットは、良かろうと思った割りには大きな変化がなかったのに、戻してみると断然STDが良い。 これもメイン系前半を薄くする方向だ。パイロット系を後半を厚くし、そこに薄いところから始まるメイン系を重

ねていく方向にマッチしている。
 このあとで点火時期をいじってみた。フルパワーキットに合わせて装着した XJR1200/1300のピックアップコイルのマウントベースを、標準よりも6〜8度進角度数が増える方向(クランク回転と逆方向)にズラしていたのを5度にしたのだ。これもまた当りで、 振動がさらに低減。
 ただ、 6000rpmで全開にしたときの加速感がものたりない気がしたので、ジェットニードルクリップ段数を3→4に変更したうえでフルパワーキットのダイアルを標準よりも進角度数が減る方向に2度(従来の6度減から8度減に)動かしたら、 これまた大正解。一本調子ではなくなり、回せば回すほど気持ちよく加速するようになった。だが、手持ちのパーツではこのあたりが限界なので、続きは当分先になりそうだ。


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