XJ900の爽快チューン
2008年7月6日 - GX750に試乗。30年を経てもなお甘酸っぱい初恋の味   
     
 6月5日に書いたGX750は、 納車後もオーナー自らの手で整備が続けられ、発見から約1カ月後に車検にパス。一昨日から路上に復帰した。
 1976年に自動二輪免許(中型)を取得し、翌年に限定解除審査に合格した私にとって、1976年にデビューしたGX750は、 とても気になる存在だった。中型限定の1年間をスズキのGT185で我慢し、 限定解除を受けるまでに欲しいと思ったのはZ750、Z650、CB750FOUR、 GX750、TX650などだった。これらのうち、前の3車は興味が薄れて候補から外れたのに対し、GX750はそうではなかった。
 前の3車に対する興味が薄れれば薄れるほど、 GX750に対する興味はつのっていった。 なのに結局TX650に落ち着いたのは、GXには新車しかなく、TXには手頃な値段の中古車があったというのがひとつの理由だ。
 そう。 つまり、GX750は、結局かなわなかった初恋のひとみたいなものなのだ。その後、TX650とGX500をメインに XS-1とTX500にも一時期手を出すという2気筒三昧のバイクライフを送ることになるのだが、その途中で何度かGX750やXS750 Specialに乗せてもらう機会があり、3気筒の独特のエンジンフィーリング(主に中速の加速感)に痛く感銘を受けたのは前にも書いたとおり。

ベトナムガレージにやってきたGX750と、現状検切れの我がXJ900。30年前よりも端正な美しさが強く印象に残った。
 そのGX750を発見し、 一瞬とはいえ自分で買ってしまおうかと思ったあたりから、私の中で再びこのマシンが“とても気になる存在”としてクローズアップされてきていた。
「車検取ったら乗せてね」と tetsuさんに頼んではいたものの、実はち
ょっと心配だった。目玉親父さん
書かれているように、思い出は美化され、マシンは老化し、さらに当時と今では自分の感性も変化していて当然である。“ああ、やっぱり思い出は心の中にしまっておいたほうが

そうはいかないだろう…。
 乗せてくれと言われて乗ってきてやったのに、眺めるばかりでいっこうに出発しようとしない私を見て、tetsuさんは 訝っていたかもしれない。さんざん時間をかけ眺めた末、ようやく重い腰を上げ、いつもの試乗コースに向かった。
 よくやる交換試乗とは異なり、思い出の彼女との再会である。いきなり走りだしはせず、かつての面影を現状から探り出すべく、ゆっくりと感触を確かめながらスタートした。
30年ぶりの再会は、懐かしむというよりも、ちょっぴり怖く、なんだか恥ずかしく、いつもの交換試乗とは大いに勝手が違った。良かったなぁ…”と、おばさんにな
った初恋のひとと会ってがっかりするのが怖くもあった。
 私のそんな気持ちを知るよしもない tetsuさんは、嬉々とした表情でベトナムガレージにやってきた。う
っ、やはり今見ても好みのプロポーションだ。いや、以前より美しくさえ感じる。しかし、走りのほうは、
 美化された思い出との落差も、初恋のひとのおばちゃん化も、自分の感性の変化も、すべて目玉親父さんの言うとおりだった。が、それでもなお、充分以上に魅力的だった。
 今の XJ900に初めて乗ったときよりも、はるかに好ましい。ああ、や
っぱりtetsuさんには内緒で 自分のものにしとけば良かったかなぁ…。


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