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| 続いて、バイカーズステーション誌の取材スタッフによる XJ900の試乗。現場にいた5人のうち、平野カメラマンを除く4人に試乗してもらい、全員に楽しんでもらえた。 中でもライターの大屋さんは痛くお気に入りのようで、ちょっとお借りします…と走りだしたっきり、なかなか帰ってこなかった。あとで聞けば、あまりに気持ちよかったのでスピードウェイの中だけではもの足りず、外に出たくなり、近所の一般道を走ってきたとのこと。いろんなオートバイに試乗して記事を作るのが主業務の彼を、そういう気にさせたということが、製作者である私には、どんな言葉よりも嬉しかった。 ハーレーの試乗は、多くの機種に乗りたい反面、あまりたくさん乗りすぎると混乱するんじゃないかとも思った。そこで、乗るべき機種を中野さんに選んでもらい、ウルトラクラシック・エレクトラグライド、ソフテイル・ロッカーC、クロスボーン、XR1200の4車に試乗した。 同じVツインながら、それぞれは っきりした個性を持ち、見た目だけでなく走りの味わいにも明確な主張があるのは立派である。個人的に最も感性にマッチしたのがクロスボーン、意外な扱いやすさと速さに驚いたのがエレクトラグライド、スポーツ心をくすぐられるのがXR1200とい ったところだが、最も魅力的かつ面白かったのはロッカーCだった。 セクシーなリアフェンダーと極太リアタイヤ、そして思い切り寝たフロントフォークと細いフロントタイヤといったスタイルもさることながら、コンセプトがいい。ナンパマシンだと勝手に解釈しただけだが…。 |
| でも、普段は1人分のサドルだけで、必要になればサドル下に収納したタンデムシートを装着できて、しかもそれがピッタリ密着仕様なんだから、そういう用途を考えて設計されたと解するのが素直ってもんだ。 乗車感も独特で、他の機種では決して得られない独自の世界。自分がムササビになって大空を舞っているような感覚といえばいいだろうか。2009年型の中からどれか一台買えと言われれば、これに決まりだ。 もう1台、ナイトロッド・スペシ ャル(Vロッド)にも乗りたかったのだが、近くで雷が鳴り、雨が降ってきたので、バイカーズステーション取材部隊ともども帰路につくことにした。雨は、東名の御殿場ICで激しくなり、沼津までに晴れた。 ただ淡々と高速道路を走るだけではもったいないので、御殿場IC正面のスタンドで満タンにし、そこから200km以上の区間を80km/hで走り続け、久しぶりの燃費を測ってみることにした。が、向かい風が強そうな感じだったのと、眠気のあまり、途中で2回もサービスエリアに入ってしまったので、参考記録程度にしかならないような気がしてきた。 そして、掛川あたりだったか、追い越し車線のクルマを追い越すために走行車線に入り、私の後ろからパ ッシングを浴びせたバカヤローに教育的指導をするために、何度か全開〜急制動をしたところで、燃費計測は完全に終わってしまった。 結局、伊勢湾岸道の刈谷SAまでの242kmで9.80リットルの消費。 燃費は24.69km/Lという平凡な数値だったが、なぜかエンジンの回りっぷりはO/H以後最良のように感じる。 |