XJ900の爽快チューン
2008年9月7日 - アダージョ・カンタービレ・ソステヌート   
     
この時期の田舎道では、いろんなものが目を楽しませてくれる。これは葛の花。道端の田んぼでは、早くも稲刈りをしていた。
と思っている。主張の強いマシーンを手なずけたり、主張の弱いマシーンを引っ張るのではなく、かといって、ただ乗せてもらうのでもない。気合を入れればそれに応えてくれ、しかし、ふと手綱を緩めた瞬間にはまるで自動操縦の飛行機のごとく安心で、かつ、どう操ってほしいかをそっと教えてくれるようなのが私にとって理想のバイクかもしれない。
 今日は、一度も気合いを入れた走りをせず、手綱は緩めっぱなし。川

グもたくさんあるとはいえ、このマシンのライダー&オーナーとしての
“爽快”をテーマにしたチューニングは“目標を達成した”と、いったんここで宣言しておきたい。
 とはいえ、もうすでに次にやることは決まっており、間もなく、今のピレリ・スポーツデーモンとメッツラー・レーザーテックの比較をし、続いて、レーステックのフォークスプリングとカートリッジエミュレーターを試用する予定である。
 この週末は仕事である。だから何も予定は入れず、オートバイに乗るつもりもなかった。4〜5日前の予報
によると、あまり天気が良くなさそうだったのも、仕事に向かう気持ちを後押しをしてくれていた。
 ところが…である。ご近所のみなさんならおわかりのように、昨日に続いて今日もまた、少々暑いが空は秋。こんな日に朝から机に向かっているのは精神衛生上よろしくない。
 そこで、昼前の1時間だけ…と決めて、近くをひとっ走りしてきた。どこへ行くとか、何をするという目的はない。要整備箇所や要調整箇所もないので、本当に久しぶりに“アラ探し”をせずに、愛車との対話をたっぷり楽しむことができた。
 こういう日は、決まって、5月3日にも書いた“爽快とは…”で始まる例のフレーズを思い出す。
“爽快”とは、ひょっとすると“手綱を緩める快感”の高さではないか

沿いの緩やかなワインディングと、九十九折りの山道を中心とした30kmほどのコースを、実に爽快に、まるで初めてオートバイに乗ったころのような新鮮な気持ちで走り続けた。
 あのころと比べれば、ライディングテクニックは別として、細かなところが気になる“ウルサいオヤジ”
になっているはずである。
 ところが今日は何ひとつ気にならず、すべてのコーナー、すべての直線、すべての加速、すべての減速は言うに及ばず、30kmの間に何万サイクルか運動したピストン−クランク機構の1回1回の動きまでもが、ただただ気持ちよく、印象深かった。
 バイクいじりという“終着駅のない列車”みたいな趣味を持つ元メカニックとしては、まだまだ手を加えたい箇所も試してみたいチューニン

和束川沿いの道から右折し、一山越えると、眼下に木津川が見わたせる。ここから急坂を駆け下りれば国道163号に出る。


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