フロントフォークの点検や分解をするときは、準備作業としてフロントホイール/フェンダー/ブレーキキャリパーなどを外さなければならない。フォークのどの部分をどれだけバラすかによって、作業手順は異なる(これについては機会を改めて書きたい)が、ホイールを外すときは、一時的に(または、その後の作業中ずっと)アウターチューブからキャリパーを取り外す。 今回もそうやってフロントホイールを外そうとしたら、なぜかブレーキホースの曲がりが変なのだ。アンダーブラケットの下にある分岐管に取りつけたバンジョーと、そこにつながるホースの間に、不自然な角度がついている。近づいて観察してもよくわからないので、めくれかかったコーティングを破って広げてみたら、その内側で、メッシュのステンレス線が何本か切れていた。 今まで、こんなところが切れたことはないし、グローリーホールの佐川くんに聞いても「そんなトラブル見たことない」との返事である。 |
| 原因は、おそらく、3年前にステアリングヘッドの改造をしたついでにブレーキホースの取り回しを変更して以来、少々張り気味になり、フ ォークが伸びたときの曲がりがキツくなっていたからだと思われる。 とにかく、このまま放置するとメッシュの切れが全周に広がり、テフロンチューブだけになり、やがてそれも切れて取り返しのつかないことになるはずだから、これを機に分岐管〜キャリパー間の左右のホースを新品に交換することにした。 とはいえ、ブレーキホースの取り回しには非常なこだわりを持っており、あれこれ検討し尽くした結果、現在の取り回しと、それを形にするフィッティングパーツを選定したから、同じパーツを使い、ホースのみの交換でなければ納得できない。 で、フィッティングを再使用するべく“オリーブ”と呼ばれる1個105円のシール材のみグローリーホールで購入し、手持ちの新品ホースを使い、2本のホースを製作。現物合わせで長さを決めた後、古いホースと |
| 比べると、4〜5mm長くなっていた。 古いほうは、フィッティングを選び、取り回しを決めた後、佐川くんに製作を頼んだので、自分でフィッティングを取りつけるのは久しぶりだ。昔はメッシュの上にコーティングしたホースなんてなかったので、コーティングしたホースへの取りつけは今回が初体験である。 それを初めてやってみてわかったのは、フィッティングパーツの各部の寸法は、昔ながらの、コーティングなしのホースに合わせてあるということだ。このため、コーティングしたホースを使う場合には、ナットを通すのに工夫が必要で、オリーブが入る部分のコーティングを剥がさなければならず、しかも、先端から何mmのところまで剥がすかを慎重に決めないとうまくいかない。 コーティングは強度部材ではないから、長めに剥がし、締めた後のナ ットからコーティングしていない部分がはみ出していても問題はないのだが、もちろん、そうならないように、美しく取りつけた。 | |