XJ900の爽快チューン
2009年3月23日 - フロントフォークセッティング(その5)エミュレーターを落とし込む
     
 XJ900のSTDスプリングで行くとして、問題はエミュレーターの厚さの分だけプリロードが増えることだった。14mmもプリロードを減らす良策がなかったのでレーステックの推奨スプリング(単ばね)を使ってみたのは“その2”に書いたとおり。
 ところが、何気なくファクトリーフラットアウトのHPを眺めていて、エミュレーターの寸法が出ている一覧表を発見。よく見ると、最も小さいヤツの外径は22.7mmしかないではないか。品番にSがついている/いないの違いはあるが、使えそうな気がしたので、外径29mmのFEGV S3501を22.7mmの FEGV 2901に交換してもらい、ついでにいろいろ教えてもらうために鈴鹿に行った(その4)。
 XJ900の フォークシリンダー頭部の内径は22mm、深さは12.3mmで、これを22.7/14mmに削れば FEGV 2901を落とし込めると読んだわけだ。深さ14mmの穴に高さ14mmのエミュレーターを落とし込んでしまえば、スプリングの底面は従来どおりフォークシリンダーの上縁に当たるから、プリロードが増える心配はない。
 FEGV 2901を手に入れた私は、 さ
っそく、2個のエミュレーターと2本のフォークシリンダーを持って

ローリーホールに行き、小山くんに旋盤加工をしてもらった。
 こうしてプリロードが増える問題を解決し、XJ900のSTDスプリング+カートリッジエミュレーターの組み合わせをテストできるようになったのだが、どういうセッティングからテストを開始すればいいのか、まったく見当がつかず、先例もない。
 エミュレーターとフォークシリンダーを前に、一晩じっくり考えて、フォークオイルは従来の58番から40番に粘度を落とし、リリーフバルブのスプリングは、借りてきた中で最もレートの低いものをプリロード0
(ゼロ)で組みつけることにした。
 エミュレーターのチェックバルブまわりの構造を見ていると、それを狙っていないとはいえ、伸び側減衰力も少々大きくなりそうなのでオイル粘度を下げ、構造上、元よりも圧側減衰力が小さくなるとは考えられないので、最弱設定から徐々に効果を大きくする方向で試行を重ねるのが良さそうだと判断したからだ。
 実際の装着には、プリロードを増やすのに使っていた 1.5mm厚のワッシャを廃し、同じ厚さのワッシャをフォークシリンダー上部に入れ、エミュレーターの押さえとした。

削る前のフォークシリンダー頭部(右)と、削った後。内径は12を12.7mmに、深さは12.3を14mmに拡大。中穴径は14mm。

底部にあった直径15.6/高さ2mmの突起部は、ネジのかかる部分を残して削り落とした。角にはC1の面取りをしてもらった。

エミュレーターを落とし込んだところ。これにリリーフバルブを取りつけ、ワッシャを載せてからフォークスプリングをセットする。


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