たったひとつ、しかも無視しようと思えばできる程度だが、気になる点がある。微小な荷重変化に対する反応の鈍さだ。従来なら5速2000rpm (45km/h程度)で定常走行中(スロ ットル開度はグリップのツバの外周で3〜4mm)にスロットルを戻したときに、駆動系の遊びが逆に偏るのと同時に、フロントフォークが10数mmすっと縮み、戻したのと同じだけスロットルを開け、再び定常走行に移 ったときには、同じく10数mm、すっと伸びていたのに、その“すっ”が “ふわ〜っ”に変わってしまった。 45km/hで流しているときのスロットル操作に対するピッチングモーシ ョンの“速さ”など、最終的な沈下量が同じなら、どうだっていい、あるいは、そもそもそんな走り方をしない人も多かろう。確かに私も、戻してまたすぐ開けるだけなら、どうだっていいことだと割り切れる。 ところが、わずかなスロットルの戻しをきっかけに旋回に入ったり、 |
| 旋回中にスロットルを開閉した場合に、そこでフォークがどれくらい敏感に反応するかは、私にとっては非常に重要なことなのである。 この速度/荷重領域でのフロントフォークの作動の遅れは、ステアリング系の舵角の追従遅れとして両手に伝わってくる。リーンアングルと舵角の関係がリニアでなくなったような違和感を感じたのは、フォークが鈍感になったからだと思われる。 で、初期セッティングの初走行で判明した要改善点は、微小かつ緩やかな荷重変化に対する応答性の向上と、強めのブレーキング時のフォーク沈下速度の抑制の2点である。 前者は、リリーフバルブのスプリングをいじっても解決しそうにないので、リリーフポート(バルブのプレートを貫通する穴=元からある)の流量を増やす方向で、後者は、バルブスプリングのレートまたはプリロードを上げる方向でセッティングし、次の試走に臨みたい。
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