XJ900の爽快チューン
2009年6月27日 - 岐阜の山あいに川のリズムを楽しむツーリング
     
集合場所となったスターバックスコーヒーカインズモール彦根店。湖岸道路に面し、向かい側に琵琶湖が広がる。
たことがあるのに、お会いするのは初めてである。今回は急なお誘いのせいで参加できなかったのに、こうして見送りに来てもらえるのは嬉しい限り。ありがとうございます。次回はぜひごいっしょに!
 スタバ開店の8時をすぎると、いつものメンバーが続々と集結。テラス席を占領し、1杯のソフトドリンクだけでデキあがっていくさまは、
オヤジの夜会と変わらない。ツーリングの待ち合わせというよりは、オヤジの朝会と言いたくなる光景だ。
 9時をすぎ、yajiさんの「そろそろ出発しましょう」の声にうながされ、みんなが席を立とうとしていたところへ、bimota db3に乗るSSさんが到着された。3月はMVのF4、4月は元ドーバーレーサーのFZ750、 そして今回はdb3…と、 車種の豪華さもさることながら、 私がXJ900にカートリッジエミュレーターを投入する
“最後のひと押し”をしてくれたのはSSさんだし、4月のツーリングでは「次はいつですか?」と、嬉しい質問をしてくれたのも彼。そして今回は、まったく前ぶれなく彦根にご降臨…と、毎回とても喜ばせていただいている。ご近所のメンバーも、きっとSSさんのご参加を楽しみにしているはずで、こういうのを“輪が広がる”と言うんだろうな…と、変態オヤジツーリング(爽快ツーリング)の首謀者として、感謝の念に絶えません。ありがとうございます。
 スタバを出発した一行は、yajiさんの先導により、木之本目指して湖岸道路を快走する。私はまるでツーリング初心者のように、躊躇している隙に次々とみなさんに先を越され
 今回は、珍しくカフェテラスでのおしゃべりからスタートした。彦根市のスターバックスコーヒーカインズモール彦根店。ここは3月7日のツ
ーリング
の散会場所になったところだ。あのときは寒くてたまらず、ここにマシンを停めるやいなやカインズモールに駆け込み、フードコートで暖をとり空腹を満たしたのに、今朝のテラスの何と心地よいことか。
 ここを集合場所に選んでくださったyajiさんに感謝。…というか、今回はコース選定/下見/岐阜の山道に詳しい助っ人の手配など、何から何までyajiさんにはお世話になりっぱなし。ありがとうございます。
 私はといえば、例によって4時頃に目が覚めてしまい、先週の朝練から帰ったまま、ほとんど触りもしていないXJ900の、 前後タイヤの空気圧のみチェックして出発準備完了。

他には大してすることがなかったので、5時すぎに早くも出発した。
 ウチから彦根まで、知らない道はない。通い慣れた和束川沿いの府道から国道307号に出、 あとは延々と307号で彦根を目指す。 この時期はまだ、朝はかなり涼しい。エンジンも足まわりも絶好調。唯一気になるのはステアリングヘッドのベアリングで、止まりぎわにコトコトコト…と軽いショックが手に伝わる。
 途中のコンビニで休憩したり、彦根市内でガソリンスタンドに寄ったりしてもなお、開店より30分早くスタバ近くに着いた。早すぎるから彦根港でも見てこよう…と思って湖岸道路を走りだすと、スタバの駐車場に赤いドゥカティ・モンスターが見えた。赤ドカ1年生さんだった。
 ネット上ではしばらく前からの知り合いだし、2回も路上ですれ違っ
これから岐阜に向かうのに、わざわざ岐阜から駆けつけてくださったSSさんの、改造箇所多数のdb3。今回惜しくも試乗できず。
赤ドカ1年生さん(小さくて申しわけない)と喫茶久保さん(最も手前)にお見送りいただいた。次回はおふたりともぜひどうぞ。
TZR250ミーティングのときに知り合った北島クンのYZF-R1と、yajiさんのXJ750E。なぜか、いつもヤマハ車と外車が中心だ。
てしまい、ようやく最後尾から4〜5番手のところで隊列に潜り込んだ。
 いや〜、新鮮! yajiさんの先導は、この時期、この時間帯の湖岸道路を走るに最適なペース。湖北の景色を楽しみ、深呼吸をし、前方につながる隊列が描くラインを眺め、後方のとべない豚さんやとなかいさんと、ミラーごしに手で会話をする。隊列の中の一員として走るのが、こんなに楽しいとは思わなかった。
 周りにいるのが、ツーリングだけでなく朝練や夜会で顔を合わせ、各所のブログや BBSでやりとりをしている気心知れたメンバーだから、とても居心地が良い。今回初めていっしょに走る人も、全然そんな気がしないのは、やはり、どこかでこのダイアリーを読んだり BBSを覗いたりしてくれているからに違いない。
 仕事がらみの集まりとはまったく異なり、かといって地縁/血縁のたぐいとも異質。ただ“バイクで走るのが好き”という点を除けば、それぞれまったく違う環境にいるひとりひとりが、自発的意志で集まった緩やかな集団の一員であることが、これほど楽しく、気持ちよいとは…。
 これまで自分が味わっていたのはツーリングの楽しさの、ほんの一部でしかなかったのではないか…などと考えながら、次の予定経由地である北陸道の木之本ICに着いた。
 ここでもまた、見送りに来てくれた人がいた。6月6日の“和歌山利宏のライテクコーチング”でお世話になった小西さんだ。999Sを積んだトランポで、福井のご自宅からドゥカティ京都へ向かわれる途中だった。こちらの予定がわかっていたので、

それに合わせて、お互いの経路がクロスする木之本ICで待っていてくださったとのこと。インターネットも携帯電話もない時代には考えられない、出先での楽しい遭遇。あ〜、や
っぱりHPで告知して良かった、 BBSで公開して良かった…と、ここでも嬉しい気持ちにしていただいた。小西さん、ありがとうございます。
 木之本での途中合流者はいないはずだったので、当日の連絡用ボードに出発する旨の書き込みだけして、予定どおり10時に出発。ここからはいよいよ、今回のツーリングのテーマである“川の流れに沿った”行軍だ。先頭をyajiさん、最後尾をyajiさんのお知り合いの tsujiさんに守られて、国道303号を快走する。
 湖岸道路よりもうんと速度が高いために、車間距離は広がり、先頭のyajiさんはもちろん、やがて前車もコーナーのはるか彼方に見えなくなる。鯖街道に似たコースなので、ここを走った過去2回は、いずれもハンパじゃない飛ばし方をしていたのに、今日はまったくその気にならない。20日の朝練前の確認と、その後の確信のおかげである。
 そりゃあ私にだって、機会があれば何度でも“確認”したい気持ちはある。でも、今日ここでそれをしなくても、それよりもっと楽しく走っているじゃないか…といった感じ。やはり、最初にしっかり、こういった走りに合った“爽快チューン”を固めておき、その後、それを犠牲にすることなくスポーツ性を高めたのは正解だった。途中で小休止の後、11時すぎに待ち合わせ場所“道の駅星のふる里ふじはし”に着いた。

 ここにはすでに、キャブ仙人こと
NAG SEDの永冶さんと、 その仲間の
ハラ坊さんとmoriさんが到着され、われわれ本隊の到着をお待ちいただいていた。マシンは、排気量こそ異なれど、3人ともSRXの4型である。
 仙人さんが来られるのなら、絶対SRXで行く〜!と、 手に入れて間もない SRX600の4型で参加した“とべない豚”さんは、さっそくダンナさんの“となかい”さんにキャブセッティングの用意を命じ、その間に仙人殿が現状のセッティングを診断。となかいさんが仙人殿の仰せのとおりにセッティングを変更し、とべない豚さんが試乗してくると…それはもう、同じキャブとは思えないほど開けやすく、上まですっきり回るようになったとのこと。以前私が試乗させてもらったときは何も問題を感じなかったのに、試乗もせずに問題点を見つけ出し、それを解決してしまうのだから、恐れ入りました。
 他のみなさんがたは、道の駅を基地に、いつもの交換試乗に余念がない。私はここで、仙人殿とハラ坊さんのSRX、 箱付きさんのスポーツスター、tetsuさんのルマン3に乗せていただいた。仙人殿のSRX以外、 いずれも以前に乗せてもらったことがあり、前回よりも今回のほうが良くなっている。それぞれの印象はオーナーの方々にお伝えした。
 とくに印象的だったのは、楽しみにしていたハラ坊さんのマシンだ。詳細は彼自身のブログをご覧いただくとして、このSRX、 何とシングルキャブなのだ。その狙いや効果は、SRXの専門家ではない私には、 まだよくわかっていない部分があり、仙
主たる目的地のひとつ、道の駅“星のふる里ふじはし”に、これだけ+試乗中の数台が集まった。正確な数は誰も知らない。
人殿に教えていただきたいところ。
 しかし、そんな堅苦しい話は抜きにして、 数多く試乗したSRXの中で私が最も気に入っていたこのマシンが、さらにその感を深めてくれたのには驚いた。気持ちよく開けられ、どんな開け方をしても嫌な反応は皆無。充分にパワフルなのに、振動が心地よい範囲に収まっているのも特筆すべき点だ。いや〜参りました。ハラ坊さん、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。
 道の駅の中にある3軒の飲食店に分散して昼食をとり、食後は再び交換試乗会。yajiさんと相談し、オプションの遠まわりコースはやめ、ここから解散場所の名神高速・関ヶ原ICまで直行することに決め、タイムリミットぎりぎりの15時まで出発を遅らせることで意見が一致した。
 仙人殿ご一行とは、近いうちの再開を約束してお別れし、本隊はここから“箱付きスカイライン”を目指す。この一風変わった名前は、ルートを検討中のyajiさんに、箱付きさんが以前通ったお気に入りの道を教え、下見をしたyajiさんが名づけたものである。今はまだ仲間うちの符牒にすぎないが、数年後にはツーリングマップルに載るかもしれない。
 冗談はさておき、箱付きスカイラインは素晴らしい道だった。交通量が少なく、路面状態が良く、適度な上りが続き、コーナーは変化に富むものの回り込んだ箇所は少なく、過度にスピードが乗る直線がない。唯一の問題は道幅がやや狭いことか。ともかくここはとても気に入った。
 以前の私なら、この区間に入るが
キャブがバッチリ決まり、大喜びのとべない豚さんと、ほっとしたとなかいさん。こういうときの仙人殿の笑顔は、いつも素敵だ。
排気量もディテイルも各車各様のSRX・4型4台の揃い踏み。左から、飛べない豚さん/ハラ坊さん/仙人殿/moriさん。
早いかペースを上げ、ついてくる数人とともに先頭集団を形成し、後続を大きく引き離していたはずだ。しかし、yajiさんにその役をお願いした今回は、なぜか先頭集団に加わるのを見送り、となかい・とべない豚ご夫妻とともに、最後尾を走った。最初は、こういう道で、どれくらいのペースで走っているのかを確認す
一般道最終区間をインターに向かう隊列。後方から、900SSのokakenさん/ルマン3のtetsuさん/GX750のにえさん。
れば、あとは先頭に追いつくはずだ
ったのに、走っているうちにすっかりこの“ゆったり快走”ペースが気に入ってしまい、結局最後までそのままのポジションをキープした。
 この素晴らしいワインディングロ
ードを本気で攻めるには、1人で来るか、あるいはそういう走りの経験が豊富でいっしょに走ったこともある人たちだけで来るべきだろう。
 そしてたぶん、それはツーリングではなく、世間ではローリングと呼ばれる行為に分類されるのだろうな
…などと考えながら走っていると、箱付きスカイラインの終点で待っていてくれた先行集団に追いついた。
 ここから先は再び隊列を整え、引き続きyajiさんの先導により山村の集落を縫う細い街道を下っていく。
 やがて道は平らになり、あたりのけしきは山村から田園へ、曲がりくねった道は碁盤の目状の直線へと変化する。広大な濃尾平野の西縁あたり。背後に見えていた伊吹山が、右手に見えはじめる頃、田圃の中に突然“美濃国分寺跡”が現われ、その正面でyajiさんは隊列を止めた。
 あたりのけしきから、もうここが平野のどん詰まりで、聞かなくても関ヶ原に近いことがわかった。何も

ない田圃の中の道端。こんなところで急に止まっても、だれひとり文句を言わず、さっきの続きのおしゃべりに夢中になる。あ〜、やっぱり、次もその次も、こうしてみなさんに楽しんでもらえる限り、この変てこな集団によるツーリングを続けていきたい…との思いを新たにした。
 関ヶ原は、予想どおり、そこからかなり近くにあった。最後の休憩は名神高速・関ヶ原IC近くのコンビニの駐車場。ここでもやはり、みなさんおしゃべりに夢中。最後に、誰がどこを通って帰るかをお互いに確認した。今回はBMW F650で途中合流された Ksuke(^^)さんが名神を東へ。yajiさんはここから下道でご帰宅。残る9人は名神を西に向かい、kei-1さんと私が八日市で、となかい&とべない豚のご夫妻は栗東で、箱付きさんは瀬田東で、 にえさんtetsuさんokakenさん/北島クンの大阪組4人はさらに西へ…と、それぞれ帰宅の途についたのである。
 が、話はまだ終わらない。関ヶ原IC脇のガソリンスタンドで給油後、「高速で交換試乗って、したことないなぁ」と言ったにえさんに、即座にtetsuさんと私が賛同。 にえさんがルマン3、tetsuさんがXJ900、 私

がGX750に乗って多賀SAまで、 初の高速道路での交換試乗が実現した。
 高速道路上でのGX750は、 フルスケール+10km/hでも、100km/hと同じ楽ちんなクルージングができる。これには驚いた。さすがにそこでの加減速は“もっさり”していて、機敏な速度調整はできない。前後タイヤの接地感も、頼りになるとは言いがたい。でも“それがどうした。こんなに気持ちよく走れて文句あるのか…”と言わんばかりの走り。峠を攻めるには少々苦しい減速比の高さが、ここでは100%生きている。
 多賀で自分のマシンに戻り、さっきと同じ速度で走ってみて、両車の違いに愕然とした。いくらなんでも回りすぎ…というのが、このときのXJ900に対する印象だ。 あ〜、やっぱり、減速比のロング化を再び検討すべきかな…と、今回は忘れかけていた難題を思い出させてくれた、いつも罪作りな交換試乗ではある。
 八日市ICから自宅までの約50kmはkei-1さんと2人で、楽しかった1日を反芻しつつ超快走。これまた過去に経験のない、わくわくする走りだ
った。みなさんおつかれさま&ありがとうございました。来れなかった方々も次回はぜひご参加ください。


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