XJ900の爽快チューン
2009年7月20日 - フォークオイルをブレンド 動粘度というのは、特定の条件での指標のひとつにすぎない
     
58番の新油と紙のフィルターで漉した古油、73番の新油、エンジンオイル、40番の古油にスレッドコンパウンドを少々混ぜた。
ようなものだ。しかし、触ったり使
ったりしてみた感じでは、明らかに73番の粘っこさは突出している。
 以前、鈴鹿のファクトリーフラットアウトで粘度計を見せてもらったことがある。ガラスでできた細い管の中をオイルが流れる(自重で落下する)ときの時間を元に粘度を測定し、その数値を密度で割って動粘度を求めている。それを見たときに、“細いガラス管と筒穴式ダンパーでは、オイルの流れやすさが違うはずだから、動粘度の違いがそのままダンピングフォースの違いにはならないのではないか”…と思った。
 このことをアッシュの製造元社長に確認すると、まさにそうらしく、「73番というのは流動性が低く、かなり温度が上がらないと固く感じるでしょうね」とも言われた。
 そこで私は、今回のブレンドでは58番を多めに使ってみた。配合比はガラスビンに貼ったガムテープに書き込んだとおり。マーカーで線を引いた位置までそのオイルを入れ、次次と混ぜ合わせていっただけの、超ええかげんブレンドである。最後のほうは、ビンを揺らし、油面の暴れ具合を見た感じを頼りに調合した。
 なので、何をどれだけ混ぜたかは詳しく書かない。とにかくこうしてブレンドし、73番より軟らかい(はずの)フォークオイルができた。
 真似してほしくないし、真似する人がいるとも思えない。そう考えるとちょっと気が楽になった。このメチャクチャなフォークオイルのブレンドについて、ダイアリーに書くかどうか、ずいぶん迷いがあった。
 だが、まあ、ステアリングヘッドベアリング用グリスの“ちょう度”
調整にリップスティックを使った…てなことを平気で雑誌に書く人だから、これも“いてまえ〜”である。
 狙いは、アッシュの58番と73番の中間的なダンピングが得られる粘度である。以前、40番と58番を混ぜて

52番程度のものを作ったときは“異なる粘度のオイルを混ぜた場合、出来上がったオイルの粘度は低いほうに寄る”との製造元社長のアドバイスを元に、58番を主体にした。
 ところが、これまで30、40、58番を使ってきた経験からして、この73番というヤツは、どうやらちょっと特殊なオイルではないかという気がする。とろっとした黄金色。粘度も色も、まるで蜂蜜のようだ。17日のところに出ている“動粘度−温度グラフ”では、73番も他の番手も、温度による動粘度の変化の傾向は似た


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