XJ900の爽快チューン
2009年7月24日 - ディスクの研磨とパッドの面取りにより、ブレーキの引きずりを解消   
     
ディスクの表面に強くオイルストーンを押し当てながら、ホイールを回す。局所的な横振れがあった場合の発見も容易になる。
試してみた。それとともに、キャリパーを取りつけた状態でホイールを回してみて、抵抗が大きいときにパ
ッドに挟まれている部分を中心に、オイルストーンを強く当て、ディスクの内〜外方向に往復させた。
 この作業により、目で見たり指先で触っただけではわからないディスクの偏摩耗(余裕で使用限度内とはいえ)がわかったので、続いてパッド(摩材)の縁に面取りをした。
 パッドの面取りについては、異物を巻き込みやすくなる(ディスク表面に付着した異物を掻き落とす能力が低下する)から、しないほうが良いというのが最近の通説である。しかしそれは、ディスクの周方向のエ
ッジにのみ言えることで、内〜外のエッジには関係のない話だ。
 そこで、ディスクとの“なじみ”
が良くなるのを狙って、内/外のエ
ッジにのみ、幅1mm程度の面取りを施した。溝の上にフタのように載っていたパッドを、落とし蓋のようにした…と言えばいいだろうか。新品に近いパッドがディスクになじむのに、どちらが短時間で済むかといえば、もちろん落とし蓋のほうだ。
 今回、ディスクとパッドに施したこれらの小細工をすべて合わせた効果は絶大で、浮かせたホイールはくるくると軽く回り“全周引きずり”
も“部分引きずり”も感じない。
 握力と制動力の関係は、小握力時の効力が若干弱まり、大握力時の効力が飛躍的に高まった感じである。制動開始時のコントロール性が高まり、大きな制動力を容易に得られるようになったから、言うことなし!
 フロントブレーキが完調のことは稀である。ブレーキをかけたときの効きとフィーリングはとくに悪くなくても、引きずりにはしょっちゅう見舞われている…というか、フロントホイールを浮かせて回してみて、気持ちよく回ることは珍しく、いつもどこかしら引きずっている。
 ディスクに問題があるのはわかっている。しかし、このサイズのアフターマーケット品に欲しいと思う物はなく、かといって純正の新品にするのも何だか気が進まない。そんなわけで、RZ250/350RやFZ400Rなどと共通の、このソリッドの純正ステンレスディスクを使い続けている。
 13日にパッドを新品に交換したところ、この引きずりが一気にヒドくなった。ホイールを浮かせ、軽く手で回そうとすると明らかに抵抗が大

かけ、面取りによる荒れを平した。
この効果は劇的で、ホイール1回転中の軽く回る箇所での抵抗は、ほぼ満足のできるレベルまで低下した。
 ところが、1回転中に1〜2箇所ある“部分ひきずり”は、依然として気になる。私は今まで、ディスクの横方向への振れがこの原因だと思
っていた。だが、実はそれだけではなく、目で見てわからない程度に摩耗した(極端に言うとパッドが当たる部分が溝になった)ディスクが、目で見てわからない程度に偏心して取りつけられた場合、“部分引きずり”を起こす可能性は充分にある。
 で、もしもそうだとするなら、デ
ィスクを研磨すれば直るのではないかと考え、ホイールを回転させながらディスクの表面にオイルストーンを押し当てる…という乱暴なことを
きく、力を込めて回しても、半周もしないうちに止まってしまう。
 で、まず、この“全周引きずり”
対策として、前から気になっていたディスクに開けられた長穴の縁の面取りをした。左右2枚のディスクの表と裏、すべての縁に、タングステンチップつきスクレッパーを用いて面取りをした後、オイルストーンを
強く押し当てたオイルストーンで内〜外方向jに研磨した痕跡。周方向に溝が、長穴周囲に盛り上がりがあるのがわかる。内と外(上と下)のエッジにのみ面取りを施したパッド。効果的なのは外だけで、内は装着しやすさを狙って面取りしておいた。


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