XJ900の爽快チューン
2010年7月20日 - ブレーキホースの取り回し変更。フィッティング+バンジョーで美しく
     
 昨日、唐突にフロントブレーキの整備なんぞが出てきて、怪しいと思われた方も多いに違いない。まったくそのとおり。“来るべき復活の日に備えて…”などというのはあとからとってつけた理由であって、実はブレーキホースの取り回しを変更したくてたまらなかったのだ。
 そのわけは…下の写真を見ればおわかりだろう。 7月12日に書いたクラッチワイヤーの新しい取り回しを見ていて、ブレーキホースもこの機会に何とかしたくなったのである。
 別に、左右対称なのが好きだというわけではない。非対称の造形美というのも充分に承知しているつもりだ。しかし、カッコの悪い非対称よりもカッコいい対称のほうが美しく

見えるというのもまた事実。
 そう。これまでの我がマシンのブレーキホースの取り回しは“カッコの悪い非対称”だったのである。
 7月12日のダイアリーの 最初に、デカデカと恥ずかしい姿をさらしているように、クラッチワイヤーよりもうんと前にトップブリッジの後ろ回しにしたとき、ちゃんとしたホースを作らず、前回しだったときのホ
ースをそのまま使ったために“ねじれ”が起きていたのだ。それを無理やり、途中でタイラップを使ってト
ップブリッジに縛りつけたりして、だましだまし使っていたのである。
 マスターシリンダー〜分岐管間のホースをトップブリッジの後ろに回したのは、そうすれば、マスターシ

リンダー〜分岐管〜左右のキャリパ
ーがホースでつながったまま、容易に外すことができるからだ。
 耐久レーサーは(トップブリッジの後ろには取り回していないが)必ずそれができるようになっていて、8耐のピットなどには、パッドまで組みつけた(当然エア抜きもできている)上記の4点セットが壁からぶら下がっていたりする。
 話を戻すと、ブレーキホースを美しく見せるためには、長さがピタリと合っているだけではダメで、両端のフィッティングパーツの角度が、ホースを取りつける相手方に正確に一致していなければダメである。
 例えば、バンジョーボルトを通す穴(正確には筒)の中心線と、その
従来は40度のバンジョーフィッティングで下に向かい、右フォークに沿って分岐管に向かっていたのを、20度にして角度を緩和。
ママチャリの前カゴ背面のようでもあるクロスケーブル。このアングルだと目ざわりだが、乗車時の視点はもっと低いから大丈夫?
ネジ部の中心線が一致していないとどこかにねじれが生じ、見た目に美しくないだけでなく、可動部分(多くの場合ステアリングステム付近〜キャリパー間)の“たわみ”が不自然になり、最悪の場合にはそれが原因でホースが千切れる。
 筒状に丸めただけのタオルは“くにゃくにゃ”で曲げやすいのに、ね
じれ(絞り)を加えたタオルを曲げようとすると固くて抵抗がある。無理やり曲げようとすると繊維が切れる。それと似たような感じだ。
 この“ねじれ”をなくす方法は2つ。ひとつは、いわゆるバンジョーフィッティング(一品モノのホースでも今やこれが主流)のように、取りつけたあとで角度の調整ができないタイプのフィッティングパーツを使う場合には、細心の注意を払って(もちろん経験を加味して)角度を
合わせるやり方。もうひとつは、機械用語で“スイベルジョイント”と呼ばれる種類の、あとから角度調整が可能なフィッティングパーツとバンジョー(オネジのついたタイコ)やユニオン(両側がオネジの筒)を組み合わせる方法である。
 これまで使っていたマスターシリンダー〜分岐管間のホースは、両端をバンジョーフィッティングで安上がりに作ったので、取り回しを変えたときに角度調整ができず、ねじれ

たまま使うしかなかったのである。
 で、今回は、すっきりさせたい上側はバンジョーフィッティングのまま(但し、首の曲がりは40度から20度に変更)にして、下側をストレートのバンジョーフィッティングからストレートフィッティング+バンジ
ョーに変更し、装着後、気が済むまで角度調整ができるようにした。
 製作手順は…
 1)取り回し変更(ステアリングヘ
ッドの右通し→左通し)に合わせて
アンダーブラケットに当たるまで前に寄せたいので、傷つき防止のためゴムシートを巻いた。ワークスマシンの多くに類例あり。
アンダーブラケットの下の3ウェイ(分岐管)を裏返しにして仮止め。
 2)ストレートフィッティングにバンジョーを仮組みした物を3ウェイに仮止め。このとき、ハンドルを左ロックまで切ると、ホースがフレームと干渉することがわかり、ダブル用バンジョーボルトとオフセットスペーサーを使用することにした。
 3)新しいホースに上側の20度バン
3ウェイをドライカーボン板にボルト+ナット留めし、その板をコレットチャックでステアリング軸の中穴に装着。脱着は超簡単。
ジョーフィッティングを取りつけ、マスターシリンダーにボルト留め。
 4)クラッチワイヤーと車体中心で交差し、かつ、トップブリッジよりも上の曲がり具合ができるだけ左右対称になるような取り回しを決め、要所要所を例の白い針金で固定。
 5)ハンドルを切ってもどこにも干渉せず、しかも見た目に美しいラインを描くようにトップブリッジから下の取り回しを決める。
 6)仮止めしたストレートフィッテ

ィングに合わせてホースを切断。
 7)ホース下端にストレートフィッティングを正規に取りつける。
 8)バンジョーの角度とバンジョーへのストレートフィッティングの取りつけ角度の両者を調整しながら、ホースにねじれがなく、美しいラインを描く角度を探る。
 9)ホースがトップブリッジと交差する箇所の側面に固定具(アンテナ線5C用ケーブルステップルを改造)をネジ留めし、ホースを通す。

 10)アンダーブラケットに接触痕がつないよう、ストレートフィッティングにクロロプレンゴムシートの断片を当て、上下2箇所をステンレスワイヤーで縛って固定。
 …と、なんだかブレーキ配管教室みたいになってしまった。 2009年3月14日のダイアリーに書いたフィッティングパーツの取りつけ方と合わせてご覧いただきたい。
 フロントブレーキ関係では、この他、分岐管〜キャリパー間のホース
ハンドルを右に切ってもレギュレターのステーに当たらず、左に切っても燃料タンク前縁に当たらない位置を縦に直線的に通る。
を、キャリパー側のストレートフィ
ッティングのすぐ上のところで支持するクランプの製作が待っている。こちらにも、今回、電装系の改造と並行して作業したおかげで流用を思いついたアンテナ線5C用ケーブルステップルを使ったステーを自作し、目標とする“タイラップを1本も使わない”を実現すべく、あれこれ悩みながら進めようと思っている。
同軸ケーブル固定用ステップルの釘を捨て、φ1.5mmの釘穴をφ3mmに拡大し、タッピングビスでトップブリッジに固定した。


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