さて、いよいよ配線作業…と喜んでいたのに、そうはうまくいかなか った。配線を通したら最後、この端子箱を取り外したりズラしたりするのは至難の業であり、また、その必要もないはずだと気づいたからだ。 …ということは、あとから手を加えることを想定せず、この時点で完全に仕上げておかねばならない。得意の泥縄式の対極にある、私が最も苦手とするやり方だ(笑)。 泥縄式の良さは、Aが完成してからBを考え、Bが完成してからCを考える…というふうに、ひとつひとつの完成像をもとに次を考えられる点だ。だが、ここでそれをしようとすると、55本の配線を何度も脱着したり、いったん取りつけたケーブルグランドを外さなければならず、途中で嫌になるのは目に見えている。 メンドクサいのが嫌か、泥縄式に作業を進められないのが嫌か、どっちがより嫌かを考えると、やはり、 |
| メンドクサいのが嫌だ(笑)。…というわけで、取りつけたら最後、二度と外さなくてもよい物を作る覚悟で端子箱の仕上げにとりかかった。 で、まず最初は隙間のシールである。4本のチャンネルを突き合わせた側板とアルミの底板、それぞれの隙間にコニシボンドのMOS7を塗り込み、1日待って次の作業に移った。 続いて前側のマウントだ。こちらは、とりあえずツバ状に突き出したアングルを設け、フレームのクロスメンバーに載せられるようにしておいて、あとで何とかしようと思っていた。10月30日の写真の上側に見える大きな張り出し部分がそれだ。 ところが“あとで”がダメだとなると、こういう、どうにでもできる余裕を持たせた構造ではなく、端子箱前側が上下に動かないように固定するという目的に適った、きっちりした物を作らなければならない。 ただ、ラッキーなのは、外したり |
| ズラしたりするのが至難の技ということは、脱着しやすい構造にする必要がないということであり、イグナイターユニットや SSRのマウントみたいに面倒な加工が不要な点だ。 とはいえ、配線を通すまでには何度か脱着するだろうし、そのつどリアフェンダーを外すのは嫌だから、前側をクロスメンバーに嵌め込んでから後ろ側をリアフェンダーにボルト留めできるように、前側を支点に後ろ側がスイングできる構造にしておくのが良さそうに思えた。 これらの条件を満たし、最も少ない材料と最も短い時間で作れるマウント方法を考え、アングルの切れ端で作ったのが“カニバサミ”状のフ ックだった。これなら、端子箱の前を下/後ろを上に傾けた状態でフックをクロスメンバーに嵌め、後ろを下むきに回転させていって、所定の位置でリアフェンダーにボルト+ナ ットで固定すればOKだ。 |