XJ900の爽快チューン
2011年5月25日 - 1kgのダミーウェイトを追加し、コーナー入り口の違和感を解消   
     
角パイプとアングルから切り出した5ピースをM6ネジで組み立てたブラケットに、とりあえず1kgのウェイトを搭載して様子を見る。左の写真の箇所にダクトを取りつけたところ。以前は、この中に2個(4気筒分)のイグニッションコイルを放り込んでいた。
 21日の鯖街道初ツーリングで感じたコーナリング開始時の違和感について、その後もずっと考え続けているうちに、あることに気がついた。あの日の走りを反芻してみるとき、違和感を感じた例として脳裏に再現するシーンはすべて右コーナーで、うまくいった例の再現シーンはすべて左コーナーなのである。
 日本の道路が左側通行なのと、もともと左コーナーが得意なのを合わせて、右より左のほうがうまく曲がれるのは当然としても、それだけでは納得できない、旋回に入る瞬間のマシンの反応に差があるようだ。
 ここまで気がついて、疑ってみたのは左右の重量配分である。もともとXJ900/750E2など、ビッグXJ系第二世代のマシンは左右の重量配分がヒドくアンバランスで、それを補正するために、これまでさんざんパーツの移設やウェイトの搭載などの対策を施してきたのに、今回の大改造(ついでにした補修も含む)によって、せっかく合わせたバランスが再び崩れていたのかもしれない。
 思い当たるフシはあった。アンダ
ーカウル右前部内側に貼りつけていた1.55kgの鉛のウェイトを、おそらくそれが原因でアンダーカウルにヒビ割れが生じたのだろうと推定し、補修/対策時に取り外したのだ。
 もちろん、ただ取り外しただけで

はなく、ほぼ同じ位置に1kgのウェイトを、アンダーカウルを介してではなくフレームに直接固定したのだが、重量が0.55kg減ったうえ、搭載位置が30〜40mm車体中心に寄ってしまい、それが原因で、体感できるほど左右の車重バランス補正効果が低下してしまったのかもしれない。
 そこで、以前の最終仕様ではイグニッションコイルを収納していた燃料タンク前側右下のエアダクト(シリンダーヘッドへの導風用の黒い樹脂製パーツ)内に、とりあえず1kgの鉛のウェイトを追加し、操安性の変化を探ってみることにした。
 結論から言うと、これは正解だった。今度は若干、右コーナーのほうがスムーズに進入できるような感じなので、少々重すぎるきらいがあるとはいえ、21日に感じた違和感はなくなっており、左コーナーへの進入にも悪影響は生じていない。
 左右重量配分の見直しと合わせ、21日に感じたその他の問題点のうちサスやキャブのセッティングで対処できそうなところはあとまわし(現状把握にもう少し時間をかけたい)にして、ブレーキとシフトのタッチ改善に取り組んでみた。
 結局、これら2つは、いずれも、位置調整をいい加減にしていたのが原因かもしれないと考え、シフトペダルの先端を5mmほど高く、ブレー

キレバーの角度(ハンドルバーに相対する角度)を7〜8度起こしてセットし、さらに、以前よりも握り代が減ったブレーキレバーのほうは、レバーの遠近調整を従来よりも近くしてみたところ、どちらも解消した。
 ただ、今回新品にしたブレーキディスクとキャリパーピストンの相乗効果か、無効ストロークが激減しており、ほどよい握り応え(悪く言うとスポンジー)を感じさせてくれた以前のフィーリングのほうが、握り込みやすかったような気がする。
 とはいえ、握り込んだあとのコントロール性やリリース時のパッド離れのよさは今度のほうが上だから、しばらくはゼイタクを言わずに使い続け、私自身が新しいフィーリングに慣れるとともに、近い将来に(?)足まわりのセッティングが決まったところで、再度、このブレーキシステムの評価をしたいと思う。
 ここまでの対策(バランス、シフト、ブレーキ)を終えて試乗したところ、積極的なライディング(入力系ライディングと呼ぶことにした)では、以前とは別のバイクかと思うほどコーナリング中の安定感と旋回力(とくに後半)が高まっていることがわかったので、続いて、ゆったりしたクルージング(脱力系ライデ
ィング)における乗り心地と軽快感の向上に取り組みたい。
アンダーカウル(通称:アゴ)の右サイド内側に、何重にも重ねて貼りつけていた鉛のシート。合計重量は1.55kgだった。ヒビ割れが生じたアゴにパンチングメタルを貼って補修。平板よりも接着剤のなじみがよく、補充や塗れ具合の確認も容易。M5だった取りつけネジをM6に拡大するとともに、カラーとグロメットを介した取りつけに変更。ブサイクだが割れてしまうよりマシ。


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