XJ900の爽快チューン
2011年10月22日 - ミドルドライブ軸に接触したナットの頭を削り、隙間を広げる   
     
昨夜削ったクランクケースには接触痕なし。下のほうにある数本の横線は、プライマリードリブンギアを脱着時に当てた跡(笑)。もともとクランクケースよりも薄かったクランクケースカバー側には無加工のままだったが、こちらにも接触痕は見当たらず。
 午後から雨の予報だったので、早起きして整備台上でエンジンを始動した。アイドリングの排気騒音75dB
の静かなバイクのアイドル回転を、さらに通常よりも低くして近所迷惑にならないようにし、ロングブレードのドライバーのグリップを耳に当て、クラッチまわりを中心に聴診。

クラッチハウジングの鉄の輪とクランクケース、ボルト+ナットの溶接箇所とミドルドライブ軸端、これら2つのヤバい箇所は、どちらも異音を発していないようで安心した。
 台上テストの最後に3回、5000rpmあたりまでのブリッピングをしても異常はなかったので、急いで朝食を

済ませ、近所を30kmほど試走した。
 クラッチハウジングの交換は、外からは見えないカッコよさのためだけで、体感の違いは期待していなか
ったにもかかわらず、明らかに以前とは違う。切れがよく、つながりが驚くほどスムーズで、定常走行中のわずかなスロットルの開閉に伴う挙
1個のナットに、スパッタを削り落としたような接触痕を発見。静的には隙間があっても、運転中に接触するのはよくあること。左側の太いのが、接触相手と思しきミドルドライブ軸。オイルポンプ駆動チェーン側面とナットの隙間は、3mm程度ある。
動変化に曖昧さがなくなっている。
 切れとつながりの変化は、プレートまわりのオイル切れのよさと軸方向へのフリクションプレートの動きやすさ、これらのどちらかまたは両方が原因と思われ、マシンの挙動変化の違いは、クラッチハウジングとプライマリードリブンギアの間にあ

るダンパースプリングの1段目を強化した影響ではないかと思われる。
 ただ“ダメ出し”をするための試走だったはずなのに、思いがけないフィーリングの向上を実感し、さらに、足元であのクラッチハウジングがぐるぐる回っているのを想像してニヤニヤしっぱなしの30kmだった。

 帰ってきて、家の用事を済ませながらエンジンが冷えるのを待ち、ず
っと手を触れていても大丈夫と思える温度(たぶん摂氏40度程度)にな
ったところでクラッチをバラした。
 2つの心配のうち、小さいほうはすぐに解消した。昨夜削ったクランクケースには、ヤスリの目がそのま
接触したのは1個だけだが、念のため、残りの2個も少々削るべく、裏板表面を脱脂し、マスキングテープを貼りつける。手書き時代の原稿用紙を使ってカバー。エリ・トロンテギのマシンが云々…と、読みはじめると懐かしく、しばし手が止まる。
ま残っており、接触痕は皆無。クラ
ッチハウジングの鉄の輪にも、擦れた跡はまったく見当たらなかった。
 続いて、プライマリードリブンギアを裏返し、もうひとつの心配箇所を点検。残念ながら、こちらは、3つのナットのうち1個の上面に接触痕があった。ルーペで観察すると、

溶接時にできたスパッタがナットの上面よりも盛り上がった部分だけが平面研磨したみたいに削れていた。
 接触したとわかれば、対策は簡単だ。切り粉が隙間に入らないようにマスキングをし、サンダーで削るだけである。やりすぎると大変なので慎重に、おそらく0.1〜0.2mm程度、

サンダーでナット上面を削り落とした後、ヤスリとサンドペーパーで面取りと仕上げをした。
 ここも、昨夜クランクケースを削
った箇所と同じく“つるピカ”にはせず、 100番のサンドペーパーをかけたときの“目”を残し、後日の接触痕発見を容易にした。
サンダーで削り終わったナット。六角形の頂点部分の面取りがなくなるまで削っても、厚さにすれば1mm程度で、4mm残る。サンダーに続き、平ヤスリとサンドペーパーで面取りと表面の整形。サンドペーパーの目を残し、後日の点検を容易にする。


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