XJ900の爽快チューン
2011年7月29日 - 騒音&排ガス測定で、悪くない数値をマークし、ひと安心   
     
 昨日の話には実は続きがある。京都市内で仕事を終えて帰ろうというときに大雨になり、仕事先で雨宿りの後に出発した。出発前に応急処置を施し、端子箱のフタをしないで出てきたから、対策が終わるまでは雨の中を走るわけにいかない。 
 ところが、私の進行方向は南で、雨雲の流れも南向き。京都駅あたりで路面の濡れ具合が半端じゃなくなり、伏見区あたりまで南下したところで雨雲に追いついてしまった。
 ちょうどいい。時間があれば寄ろうと思っていたカスノモーターサイクルで用事を済ませているうちに雨も上がるだろう…と、店内にある喫茶“ドルフィン”におじゃました。
 私の場合、ここで“用事”といえばほとんど“お願い”であり、あまり喜ばれない訪問者ではある(笑)。
 その“お願い”の相手は、まずFクン。私の中学校時代の同級生であり、レースメカニック時代の最初の担当ライダーであり、例のファンネル&ダクトの製作者でもある。
 続いて社長の糟野さん。氏のことを書きはじめると収拾がつかなくな

るので、ずっと前にBS誌に書いた原稿にリンクを張って済ませる。
 この日の“お願い”のメインはビジネスマターなので、後日、日の目を見たときに報告させていただくとして、サブ案件は、騒音&排ガスの測定依頼である。うまい具合にドゥカティ京都のAクンも同席だったので、社長のOKを得た後、すぐに話はまとまり、 XJ900の騒音&排ガス測定をしてもらえることになった。
 雨も上がったので、そろそろ帰ろうか…と思う隙もなく、糟野さんから「オマエもいっしょに、どや?」のお誘い。私の“お願い”と並行して喫茶ドルフィンで商談?中の別グループ2名(仮にYさんとIさんということにしておく)と、ドゥカテ
ィ京都のAクン、そして社長と私の5人で夜の街に繰り出すことに…。
 昼は蕎麦屋、夜は飲み屋のその店で、マスターが「社長、今日はメッチャ濃い話ばっかりでんなあ…」と驚くほど濃い話で盛り上がる。その間に「吉村、オマエももう帰るの諦めて飲めや。ウチに泊まったらええやん」との社長の誘いを5回くらい

断り、断れるようになった自分の成長ぶりに感心しつつ(笑)、気がつけば午前0時を回っていた。
 ここでYさんが不意に「奈良の南のほうにあるヨメさんの実家まで帰らなあかんねん」(原文は標準語)と言いだし、一同あっけにとられるも、社長の決裁で問題は解決。すなわち、カスノモーターサイクルまで戻った後、私がYさんとタンデムで南下、同時にYさんの奥さんにクルマで北上してもらい、途中でYさんをリレーする…という作戦だ。中継ポイントはJR奈良駅前に決まった。
 予定外のタンデム走行は、なかなか快適だった。推定体重85kgのYさんを乗せたほうが、断然乗り心地が良い。もちろん、機敏な運動性は望むべくもないが、スロットルの開閉に伴うショックがほとんどないのはタンデムではとてもありがたい。
 業界関係者のYさんに、マシンと運転操作両方のスムーズさをお誉めいただき、深夜の快速酔客輸送は無事に終了。 身軽になったXJ900で鴻池のS字を気分良く駆け抜け、午前2時すぎに帰宅したのだった。
94dBとはいえ、5000rpm時の音はウルサい。規制値や実測値がどうであれ、騒音低減に最も有効なのは静かな乗り方だ。メーターのフルスケールは10dBで、右上のロータリースイッチが10dBごとの測定レンジ切り替え用。電源はAC100Vである。
 で、ここからがようやく本題、29日のダイアリーである。みんなが覚えているうちに、そして社長の気が変わらないうちに(笑)…と、OKが出た翌日に早くもカスノモーターサイクルに行き、騒音と排ガスの測定をしてもらうことにした。
 担当はもちろん、ドゥカティ京都のAクンである。最初に測定してもらったのは、いわゆる近接排気騒音というヤツで、排気管開口部と同じ高さで45度後方外側に50cm離れた位置にマイクを設置。最高出力回転の半分のエンジン回転で測定する…と決まっているのに、最高出力回転がわからない。で、念のため、アイドリング、 3000、4000、5000rpm、合わせて4ポイントで測定した。
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【近接排気騒音】
1000rpm(アイドリング):75dB
3000rpm:85dB
4000rpm:89dB
5000rpm:94dB
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 近接排気騒音の測定結果は上の表のとおりで、帰宅してからカタログ

データを見たところ、最高出力回転は9000rpmと判明。4500rpmでは測定していなかったが、89dB以上94dB以下なのは間違いなく、おそらく91か92dBであろうと思われる。
 続いて、COとHCを測定してもらった。慣れた手つきで器具を扱いつつAクンは「薄いですね〜」を連発。ひょっとしてキャブセッティングのことかと心配になって尋ねると、COの測定値とのこと。現行の規制でも3.0%だから、なるほど、 余裕たっぷりの“薄さ”である。
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【排ガス測定】
左マフラー@1000rpm
 CO:0.08%、HC:2100ppm前後
右マフラー@1000rpm
 CO:0.10%、HC:1800ppm前後
右マフラー@4000rpm
 CO:0.20%、HC:600ppm前後
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 残念ながら、HCのほうは、現行の1000ppmには遠く及ばず、 改正前の2000ppmに ギリギリ通るかどうかといった数値である。 このXJ900は、二輪車の排ガス規制がなかった1997

年以前のマシンだから、悪くないどころか、むしろ優秀なデータとして喜ぶべきなのかもしれない。
 しかし、HPのトップに“より安全で静かでクリーンで燃費のよいマシンにしたい”と、偉そうなことを書いている以上、現行規制クリアを目標にしたい。 AISも触媒もなしでこの値なのだから、そのどちらかまたは両方を装着すれば実現は容易だろうし、そこまでしなくても、スロー系と点火時期のセッティングを見直し、少々アイドル回転を高めてやるだけで、かなりいいセンまでいけるのではないかと思う。
 ただ、アイドル回転を高めると、発進時(ニュートラルからローへ)のショックシフトが大きくなるのに加え、走行中にスロットルを全閉にしたときの滑走感が心地よいレベルを超えると予想されるので、できれば他の方法にしたいところだ。
 そのための第一歩は、アイドル時の空燃比をrich/leanどちらに振ればHCを最低にできるかを探ることだろう。少々絞りすぎの感なきにしもあらずなので、rich方向かな…。
慣れた手つきでCO/HC測定用プローブを差し込むドゥカティ京都のAクン。この状態で、後端から30cm程度入っている。自動車関連測定機器専門メーカー・イヤサカのCO/HC測定器。COは体積百分比、HCは体積百万分比で表示。


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