まず、 筒状のパーツの内側にはDLCができないという説明のあと、最適なのは二硫化モリブデンショットだが、オイルが汚れるので、二硫化モリブデンに近い摺動性を持ち、かつ極圧性に優れた錫ショットを薦められた。鉄を磨いただけの本体内壁にはWPC+錫ショット、 アルマイトの後にホーニング仕上げされたリザーバータンクの内壁には、寸法精度の低下を懸念して、 WPCなしの錫ショ ットのみ…と、話がまとまった。 3箇所3様の処理を終えて戻ってきたパーツの中で、私にとって見慣れないのは、やはり、WPC+DLCを施したロッドである。見るからに硬そうで、滑りやすそうでもある。 |
| さっそくテスト…とばかり、以前WPCから戻ってきたピストンに、 ピストンピンを通して傾けたのと同じように、水平にしたロッドにテフロンブッシュを通し、徐々にロッドを起し、どれくらいまで起せばブッシ ュが滑り出すか、やってみた。 ところが、残念なことに、スペアの無処理のロッドだと15〜20度程度で滑り出すのに、WPC+DLC処理のロ ッドでは30度近く起さないと滑り出さない。同じ角度にして滑り速度を比較するとWPC+DLCのほうが速いから、抵抗が大きいわけではなく、スティックが原因だと思われる。 ゴムとの相性もテストをし、最適の潤滑剤を選ぶ必要がありそうだ。 |