フロントフォーク・ダンパーの新しいベースセッティングが出たところで、そこからさらに上を狙うべく再確認のために走りだそうとしたところで始動不能に見舞われた。 何度始動を試みてもまったくかからないので、いったん間をおこうと考え、バイクから離れようとしたとき、ガソリン臭いのに気がついた。 もしやこれは…と思ってオイルレベル点検窓を見ると、通常、ほとんど見えないはずの油面が、真ん中より少し上にまで高まっている。 この時点で、始動不能も油面の上昇も、キャブレターでのオーバーフローが原因だと判断した。燃焼室へ流入したガソリンがプラグをカブらせて始動不能になり、そこからさらにピストン/シリンダーの隙間を経てクランクケース内に落下したガソリンが油面を上昇させたのだろう。 エンジンオイルとガソリンが混ざ っても化学反応は起きず、一時的にオイルが希釈されるだけで、運転を続けているうちにガソリンが気化してもとどおりになるから心配無用… と、以前、同じことになったときにアッシュの製造元社長でありオイル技術者の岸野さんに聞いていた。 だから今回も、プラグのカブりだけ取り除いて再始動し、エンジンを |
| 温めてガソリンを気化させてしまえばよかったのに、何を間違ったか、このときの私は、キャブを外してフロートバルブのチェックを始めてしまった。この時点では未だ、ガソリンコックが PRIになったままとは気がついていなかった(笑)。 当然、キャブには異常なし。外したついでに冬用セッティングの続きをし、組み立てて装着すると、エンジンはあっけなく始動した。 ところが、試乗の結果は全然ダメだった。下が全然なく、 5000rpm以上回さないと、まともに走れない。 “う〜む、これは、セッティングやり直しだな…”と思いつつ帰宅してレベル点検窓を観察すると、何とまあ、さっきよりもさらに油面は上昇し、車体を左に傾けてようやく窓の中に姿を現わす。その油面も、正常なときの“くっきり”したものではなく、ガソリンが混入したときによくあるボヤケた感じである。 またガソリンが入ってしまったのは間違いない。なぜそんなことにな ったのかわからないまま再びキャブレターを外し、フロートチャンバーを開けてみたら、1本のフロートピンが傾き、フロートバルブが閉じきらない状態になっていた。これではガソリンだだ漏れである。さっきの |
| 自分の組み立てミスが原因だ。 そうとわかれば話は速い(笑)。今度はさっきより慎重にフロートピン固定用ネジを締め、フロートの高さを入念に合わせて組み立てた。 そして再始動〜再試乗。今度こそ問題なく、あとは距離を稼いでガソリンを気化させるだけである。数kmごとに止まってはオイルレベルを点検し、再び走りだす。これを何度か繰り返し、ウチを出てから40kmくらい走ったところで、ようやく自己基準のオイルレベルに回復した。 諸悪の根源は、 RES(リザーブ)にしたつもりが、 間違えてPRI(プライミング)にしていたこと。負圧コックだから、 ONやRESにしていれば、 エンジン停止で自動的にOFFになるのに、 PRIだと常時ONになってしまう。 前回乗ったときRESのつもりでPRIにした後、 48時間以上放置していたから、その間に、フロートバルブの隙間から少しずつ漏れたガソリンが吸気ポートから燃焼室内に入り、そこからさらにクランクケース内に流入したに違いない。 コックの作動不良が原因なら改善策はあるが、人為的ミスが原因ではどうしようもない(笑)。 次からRESにするときは、せいぜい注意して、誤操作しないように努めたい。 |