2012年8月28日 - 今井さん&松田クンの試乗と、その後の交換試乗、そしてナイトラン |
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今回のツーリング中、今日が最も忙しい一日になるのは、出発前からわかっていた。埼玉県蓮田市の今井さん宅から、出発前に予約しておいた東名高速足柄サービスエリア内のホテル(静岡県御殿場市)まで移動するだけならともかく、その間に、いったん伊豆スカイライン(静岡県伊豆市)まで行き、19時に東名高速用賀入り口(東京都世田谷区)まで戻って来なければならない。 わかりやすく言うと、蓮田から御殿場まで行く主旅程の途中で、用賀から伊豆を往復するオプショナルツアーに参加するようなものだ。 松田くんとの待ち合わせは、業界の慣例に従い(笑)、場所も時間もアバウトなまま。川崎の住人だから、こちらが伊豆に向かう途中のどこかで、昼前あたりに合流しよう…としか相談していなかった。しかし、川崎から遠くないところで昼前に待ち合わせとなると、蓮田であまりゆっ |
| くりしているわけにはいかない。 7時すぎには早くも準備を終え、出発直前に今井さんに試乗してもら った。インプレは省略。ここに書かないのではなく、今井さんが省略、つまり何も言わなかったのだ(笑)。ここでうかつにしゃべりだすと、また昨夜のような禅問答が数時間続きそう…と、恐れたのだろう(笑)。 ただ、何も言わない代わり、直立したマシンの後ろに回り、グラブバ ーを握って数回リアショックを伸縮させたあと、しゃがみこんで伸び側ダンピング調整ダイアルを“カチカチカチカチ…”と、驚くほどたくさん回し(笑)、再度グラブバーを握って伸縮させた末、ようやく口を開いた。「近所を1周してきて!」 言われたままに近所をひとまわりしようと、走りだしたとたんにびっくりした。リアまわりからの情報量が格段に増加…というよりは、これと比べりゃ、今までは無情報だった |
| に近い。路面の小さな段差や細かな舗装のヒビ割れを通過したときの手応えが、フロントと同じようにリアからも伝わってくるのだ。 誤解のないようにつけ加えておくと、この“手応え”は、吸収しきれなかった衝撃によるものではなく、衝撃を吸収すべくショックユニットとタイヤが仕事(伸縮と変形)をした結果のようである。デスクの端に手のひらを当て、もう一方の手で反対側の端を軽く叩いたときに伝わってくる、小さく小気味よい振動…とでも形容すればいいだろうか。 最近のフォークセッティングの変更によって得られるようになったこの感触がリアからも伝わるようになり、まさに“1台のマシンの両足” と呼ぶにふさわしい気がした。そのことだけを今井さんに報告し、お礼を述べ、荷物を積んで出発した。 今井さん宅からは、県道を10km近く走って国道17号に出、あとは延々 |
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17を走っていけば環八に入れますよ …と聞いていたので、そのとおりにした。2時間以上かかるかも…と言われていたのに、1時間半ほどで用賀に着き、余裕ができたので、東名入り口の脇にあるマクドナルドに入 った。今夜19時にピッツSさんと待ち合わせているのもこの店だ。 松田くんに電話をして待ち合わせ場所を決め、東名に乗る。今回、初めての(今回に限らず久しぶりの)高速道路である。双方の勘違いのせいで、結局、彼と合流できたのは海老名のサービスエリア。そこで相談の結果、東名からオダアツに入って小田原まで行き、いつもの(BS誌の試乗の帰りによく利用する)ガスト で昼食の後、ターンパイク経由伊豆スカイラインまで行くことに決定。 昼食後、ガストの駐車場で運転を交代。 松田くんがXJ900で先行し、私が彼のクルマであとを追う。もちろん、ずっと追従するのではなく、分岐と料金所で待っててもらう以外 |
| は、好きなように走ってもらう。 伊豆スカの亀石(スカイポート亀石)まで行って休憩しつつ、ここまでのインプレッションをもとにリアのプリロードを調整。その後、走りだした彼は、充分に走りを楽しんでくれたらしく、嬉しくなるコメント(バイカーズステーション11月号に掲載)をいくつか聞かせてくれた。 試乗の後は私がXJ、松田くんがクルマで引き返す。朝の今井セッティング+亀石でのプリロード調整を経たマシンは、操縦性の基本傾向には変化がないのに、操作に対する応答が早く、リアのグリップ感が増したのと合わせて敏捷感が高く、しかも乗り心地が大幅に改善されていた。 オダアツの渋滞で松田くんを置き去りにし(笑)、東名に乗り継いで用賀のマクドナルドへ。約束の30分前だったのに、すでにピッツSさんとその友人ごんすけさんが居て、初対面にもかかわらず、いきなり冬場の50番のエンジンオイルみたいな(笑) |
| 粘っこいメカ談議で盛り上がる。 2時間ほどして、ようやく表に出て交換試乗がスタート。ロングスイングアーム化したGX750と、 ごんすけさんのGSX-R750、 そしてXJ900。 3人で、3台のマシンを順番に味わう。途中、 XJ900のヘッドライトバルブが切れ、ごんすけさん宅に寄って、いただいた(ありがとうございいます)バルブに交換するというハプニングはあったものの、その他は順調に、しかし、どこを通ったか私にはまったく理解できず、気がつけば厚木のコンビニ駐車場だった。 ピッツSさん曰く「気持ちよすぎて、厚木まで来ちゃいました」とのこと。そういえば打ち合わせでは日野までって話だったか…。自分のバイクが気に入ってもらえたのは嬉しいし、今夜の最終目的地の足柄に近づきもしたから、ゴキゲンである。 ピッツS号ロングスイングアーム仕様GX750は、 一見無謀な改造のようでいて、その走りは極めて真っ当 |
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で違和感がなく、リアまわりの動きに関しては、あの時代のマシンにありがちな“奥で詰まった感じ”がなく、彼の狙いどおりの仕上がりだと感じた。その一方、フロントフォークをはじめ、気になる点が少々あったので、ごんすけさんのマシンに関する点も含めて2人に報告。感じたことを忌憚なく報告するのは、試乗させてもらった者の礼儀である。 ここでの駐車場夜会もまた大いに盛り上がり、放っておけば朝まで続きそうな勢い。しかし、この先どれくらいで足柄なのかわかってない私よりも、他の2人が心配してくれ、0時で打ち止め。彼らに見送られて246を御殿場方面に走りだした。 厚木を出て間もなく、前方に1台のバイクが見えた。まだ交通量の多い246を、 すり抜けすり抜け、ぐんぐん進んでいく。いくつか高架を上り下りし、沿道の家並みが市街地から住宅地に変わったあたりの信号待 |
| ちで、ようやく追いついた。 そして、何個目かの信号で声をかけた。すると彼は、私のバイクのサイドカバーあたりをちらりと見て、ほんの一瞬の間をおいて「吉村さんですか?」と返事をしてくれた。そこからしばらく、信号待ちごとに少ししゃべっては走り、また止まって続きをしゃべる…を繰り返し、お互い、なぜ今ここにいるのか、これからどこに行くのかを相手に伝えた。 山越えに入り、信号が少なくなってからは、無理せず、端正なフォームだけど豪快な、彼の高速コーナーの走りを眺めつつあとを追い、途中のコンビニで小休止の後“道の駅ふじおやま”までいっしょに走った。 予約していた足柄サービスエリア内のホテルは“一般道からもアクセス可能”と書かれていたのに、どこからどう行けばいいのか調べるのを忘れていた(笑)。おまけに、この時点ではホテルの名前も思い出せず、 |
| ただ、遠くに見えるサービスエリアらしき明かりの集まりを唯一の目印に、 246から外れて真っ暗な田舎道を進んで行くしかなかった。 しばらくして東名に行き当たったのに、カンジンの足柄SAが見当たらない。人に聞こうにも、走ってくるクルマも民家もない。ここでうろうろして時間を費やすよりは、御殿場ICに出て、東名でアプローチしたほうがよさそうだ。だが、どう行けば御殿場ICにたどり着けるのかもわからない。しかたがないから、広い道に出るまでの間、できるだけ同一方向をキープして走り続けると、やがて富士カントリークラブというのが見え、ほどなく国道138号に出た。 あとは迷うことなく御殿場ICから東名に乗り、足柄SAに入ったのに、まるで迷路のようなSAの構造と、専用の駐車場を持たないホテルのせいで無駄に時間を食い、1時半ごろにようやくチェックインできた。 |
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