XJ900の爽快チューン
2010年9月2日 - 次号RACERS最後の取材で川重明石〜カワサキワールドへ   
     
“スーパーはくと”に使われている車両は、運行経路の途中で乗り入れる智頭急行のHOT7000系。最前部は乗降口なし。四畳半ほどありそうな広大な運転席ごしに景色が楽しめる。対向は、181系唯一の定期列車となった特急“はまかぜ”。
 自分ちの掲示板に“余裕がなくな
ってきた”なんて書きながら、この期に及んで追加取材である。さすがのK編集長も今回は前泊なんぞしてられず、編集のMクンとともに東京発6時台の新幹線で明石入り。
 逆に時間的余裕ができた私は、今回はJR在来線乗り継ぎで行くことにして、うまい具合に東京組とほぼ同時に西明石に着ける特急“スーパーはくと3号”倉吉行きに乗った。
 5両編成の 前寄り1〜2号車が自由席だったので、 迷わず1号車に乗り込み、最前部の鉄ちゃん指定席に座

る。久しぶりの気動車(ディーゼルカー)の旅である。さすがに新しい特急用車両は防振/吸音が徹底しているらしく、力行時も気動車にありがちな不快な騒音や振動を感じさせない。惰行時はニュートラルで坂を下るバイクのように静かである。
 元鉄ちゃんであって現鉄ちゃんではない私には、変速操作をせずにするすると加速したり、新快速に混じ
って列車線を苦もなく120km/hで巡行するのは驚きだった。何しろ気動車といえば10/35/58系あたりしか知らないロートルなもので…(笑)。

 舞子あたりで特急“はまかぜ”とすれ違う。かつては非電化区間の優等列車の花形として全国各地で稼働していた181系も、 今や定期列車は日本中で、この“はまかぜ”のみ。それも近いうちに新型車両への代替が予想されており、今後しばらく、沿線各駅で“はまかぜ”を狙う撮り鉄の姿が増えるものと予想される。
 明石で普通に乗り換え西明石へ。ここで東京組と合流し、軽く打ち合わせの後タクシーで川重明石工場に向かい、 午前中はKR500とX-09、午後はZX-RR関連の追加取材をした。
B8Mという市販車改造モトクロッサーと、優勝の記念写真。“カワサキワールド”のオートバイ展示コーナーの一角にて。1953年、戦後初の国産航空機エンジンとして形式証明を得、試作されたKAE-240型水平対向6気筒エンジン。
 今回の追加取材は、K編集長が今後のRACERSの企画を練り直し、次号の構成を見直した結果、 ZX-RRのボリュームが大きくなったことに端を発している。が、仮に次号に盛り込めなかったとしても、今回の取材は過去のどの技説(技術説明会)よりも充実したものとなった。
 忙しい仕事の合間を縫って、長時間にわたり、われわれの質問にお答えくださったのは、 ZX-RRのPL(プロジェクトリーダー)として、歴代ZX-RRの開発〜設計をされてきたMさん。実は以前のダイアリーにも匿名

でご登場いただいている(笑)ことからもわかるように、技術者としても人間的にも私が絶大の信頼をおいているレースエンジニアのひとりだ。この内容の濃いインタビューの結果を、できる限り誌面でお伝えできるように頑張りたいと思っている。
 私にとって朗報だったのは、開発中止後もMotoGPを戦った最終型2009モデルの ZX-RRの現車が保存されていること(時期尚早とのことで撮影はできなかった)と、去年の4月1日以後生産車部門に移られたMさんが手がけられた市販車が間もなく発売

されるのがわかったことだ。
 Mさんが「自信作だった」とおっしゃる 2009年型ZX-RRと、間もなく発売される市販車、どちらも非常に興味ぶかく、今後、取材の機会がめぐってくるのが楽しみである。
 明石での取材の後は、 3人でメリケンパークに向かい、閉館まぎわのカワサキワールドに滑り込み。K編集長が何点かの展示物を撮影している間、私は“跨がってもいい”車両の乗車ポジションをチェックしたり自車に流用できそうなパーツがないか探したり(笑)した。
現在の市販車展示コーナーにあったDAEG。跨がってポジションをチェックした後、最近気になるハンドルポストを観察した。
こちらは、部分的にカットした状態で展示されているZXR1400のバッテリーまわり。車体アース線の取りつけの参考写真。
同じくZXR1400のマフラー入り口部分。マフラー内のエキパイ終端部に、排ガスの酸化を促進する触媒が装着されている。


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