キャブセッティングが煮詰まってきたので、タイヤを交換した。迷いはなく、他に試したい製品もないので、ピレリ・スポーツデーモン以外の選択肢はない。2年前の7月19日に交換した後、9861km走行していた。 この距離は平均的。1〜6セット目の使用距離は、10257、8375/8613、9848/9610、12598、8195、12470km である。スラッシュを挟んで2つの数字が並んだところは、前後の交換時期に差があったことを示す。 いずれにしても、優秀な耐用距離である。前が約1万円、後ろが約1.3万円(この7月1日の値上がり後は、2割弱高くなった)で買えたから、ランニングコストの非常に安いタイヤだということができる。 しかし、私がスポーツデーモンを使い続けてきたのは、ランニングコストの安さが主な理由ではない。ひとことで言うと“バイクに乗るのが楽しくなるタイヤ”だからである。 |
| なぜ楽しいのか。そのわけは、乗り心地(衝撃吸収性)のよさ、適度な舵角によるコーナリング中の前輪の状態のわかりやすさ、強力なブレ ーキング時におけるグリップのよさとタイヤの状態の把握しやすさ。この3つに集約できそうな気がする。 これらの優れた特質と比べると、6000kmを超えたあたりから顕著になる段減りや、1000km未満〜寿命末期まで続くハンドルの振れ(両手を離した場合のみ)などは、私にとっては我慢できるレベル。段減りも振れも、まったく生じないタイヤがない以上、上に書いた3つの特質を持つスポーツデーモンは、 私のXJ900に必要不可欠な装備品といえる。 それほど気に入ったタイヤでありながら、今回の大改造後の路上復帰に合わせて新品にしなかったのは、復帰後しばらくは足まわりやキャブのセッティングに忙しく、タイヤのよさを味わうどころではないだろう |