XJ900の爽快チューン
2011年7月7〜8日 - 8セット目のスポーツデーモンを装着。車体の変化が明瞭に   
     
この時期の田舎道では亀と遭遇することが多い。見つけたら停まって拾い上げ、亀の進行方向のコース外に避難させてやる。
と予想したからである。
 案の定、路上復帰からの3000kmほどは、ふだんはほとんど使わないような高回転域での全開を伴うキャブセッティングを繰り返し、余裕で車検にパスしたリアタイヤの摩耗が急速に進行し、下右の写真のような悲惨な状態になってしまった。
 で、足まわりとキャブのセッティングも煮詰まってきたので、7月7日にタイヤを交換した。この日は一日中雨だったので、外した前後ホイールをクルマに積んでブルーカフェに行き、店主の稗田くんにお願いしてタイヤの脱着をしてもらった。
 …というわけで、新しいタイヤを装着して走りだしたのは、翌7月8日の朝になってから。フロントフォークとリアショックのセッティングをどうやっても収まらなかった細かな突き上げ感(路面の段差や小さな突起による)が収束し、乗り心地が大幅に改善した。操安性は目立って悪化していなくても、摩耗限度を超えて使い続けていると、乗り心地は著しく低下するようである。
 寿命が尽きた古タイヤとの比較ではなく、以前のマトモなスポーツデ
ーモンと比較すると、舵角がわずかに減り、当て舵に要していた力が激減し、コーナリング中に旋回半径を維持しようとする性質が感じられるようになった…などの違いがある。
 これらはいずれも、今回の大改造によって変化した車体まわりに起因するものと思われ、今後しばらくの間(数百km)は、この性質に合わせたライディングを試みつつタイヤの慣らしを済ませ、その後、大改造後の新しい車体でスポーツデーモンの特質を生かすセッティングに取り組みたいと考えている。
 キャブセッティングが煮詰まってきたので、タイヤを交換した。迷いはなく、他に試したい製品もないので、ピレリ・スポーツデーモン以外の選択肢はない。2年前の7月19日に交換した後、9861km走行していた。
 この距離は平均的。1〜6セット目の使用距離は、10257、8375/8613、9848/9610、12598、8195、12470km
である。スラッシュを挟んで2つの数字が並んだところは、前後の交換時期に差があったことを示す。
 いずれにしても、優秀な耐用距離である。前が約1万円、後ろが約1.3万円(この7月1日の値上がり後は、2割弱高くなった)で買えたから、ランニングコストの非常に安いタイヤだということができる。
 しかし、私がスポーツデーモンを使い続けてきたのは、ランニングコストの安さが主な理由ではない。ひとことで言うと“バイクに乗るのが楽しくなるタイヤ”だからである。

 なぜ楽しいのか。そのわけは、乗り心地(衝撃吸収性)のよさ、適度な舵角によるコーナリング中の前輪の状態のわかりやすさ、強力なブレ
ーキング時におけるグリップのよさとタイヤの状態の把握しやすさ。この3つに集約できそうな気がする。
 これらの優れた特質と比べると、6000kmを超えたあたりから顕著になる段減りや、1000km未満〜寿命末期まで続くハンドルの振れ(両手を離した場合のみ)などは、私にとっては我慢できるレベル。段減りも振れも、まったく生じないタイヤがない以上、上に書いた3つの特質を持つスポーツデーモンは、 私のXJ900に必要不可欠な装備品といえる。
 それほど気に入ったタイヤでありながら、今回の大改造後の路上復帰に合わせて新品にしなかったのは、復帰後しばらくは足まわりやキャブのセッティングに忙しく、タイヤのよさを味わうどころではないだろう
9861km走ったフロント。写真中央部に見える“y”字型模様の交差点あたりの摩耗が著しいのは、これまでの7本と同じ。同じく9861kmで、これまでで最も激しく摩耗したリア。今回は断面形状の極端な崩れはなく、操安の悪化は小さかった。


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