クラッチスプリングをXJ900のSTD (90501-224A8)から YZF750SPをはじめとする多くのFZ系エンジンに使われている物(90501-225A9)に 換 装し、約20%のセット荷重(クラッチレバーを放した=クラッチがつながった状態での反発力=この力によ って摩擦力を得ている)増大を図ったあと、ウチの近所をひとまわりしてフツーに走れることは確認した。 だが、今回の滑りに初めて気がついたときのような、 7000rpmで走行中に全開にするとか、3〜4000rpmあたりから勢いよく加速をし、スロットル開度を増しながら 7000rpm超まで引っ張っていく…といった高負荷でのテストはしていなかった。 そこで、高負荷でのテスト、それも、上に書いた2つの例以外にも、できるだけいろんな走行条件で“クラッチ滑りが出ないこと”を確認すべく、朝練を兼ねて出発した。 クラッチが“滑る”ことの確認は1発滑らせるだけで充分なのに対し “滑らない”ことを確認するのは大変だ(笑)。これは、いわゆる“悪魔の証明”というヤツで、厳密には無理である。だが、まあ、ふだんの自分の走り+峠道を攻めたときの走り +トップエンドまで回した高速走行 |
| 程度の、想定しうる種々の状況でのテストはしておいたほうがよい。 どこでどんなテストをして、どうだったか…なんてのは、書いてるほうも読んでるほうもつまらないので省略。今日のテストでは滑らなかった…とだけ報告しておきたい。 それよりも、滑る/滑らない以外に、いくつか感じられた変化のほうが、書き手としては興味深い。 滑る/滑らない以外の最も大きな変化は、シフトタッチに現われた。ひとことで言うと“良くなった”のである。軽くは…、たぶんなっていない。かといって重くなったわけでもない。シフトストッパーのリターンスプリングやシフトドラムのセグメントをいじったような感じだ。 シフトペダルに入力を始めてからギアがシフトし終わるまでの間で、足の力で動かしている範囲のフィーリングには大差がないのに、そこから先、つまり、シフトストッパーのローラーがセグメントの山を乗り越えたあとの作動範囲で、以前よりも節度が向上したような感じなのだ。 具体的には、街中や山道を忙しくシフトアップ/シフトダウンを繰り返しながら走っているときに、これまでだと1時間に数回程度発症した |
| “送り不良”が、ほとんどなくなった…と言えばいいだろうか。 ここで言う“送り不良”とは、ド ッグの噛み込み不良ではなく、ドッグは噛み合っているのに、あるべき位置までシフトドラムが回転しておらず、連続してもう1段シフトアップしようとしたときにシフターの爪がうまくピンに引っかからず“空振り”をする…といった症状のことである。今日のテストでは、この症状がほとんど出なくなったのだ。 こうした変化が、クラッチを切ってシフトしたときにのみ現われるのなら納得はできる。しかし、クラッチレバーに指さえ掛けないノークラシフトアップのときに、なぜ変化が現われるのか、よくわからない。 おそらく、クラッチスプリングの強化によってジャダースプリングの効き具合が変化し、シフト操作の前半(ドッグの噛み合いを外すとき)のシフター類の動き方が変わり、それがシフト操作の後半(ドッグを噛み合わせるとき)の動きに影響を与えているのではないだろうか。 しかし、悪い方向に変化した場合は頑張って原因追求するのに、良い方向に変化した場合は探求心が薄れがちで(笑)、推測の域を出ない。 |