2009年8月12日 - ピアジオMP3に試乗 鯖街道から湖西に回り、ブルーカフェ新店舗に立ち寄る |
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久しぶりに1日中晴れそうな感じだったので、居ても立ってもいられず、昼前に仕事を切り上げ、北に向かって走りだした。盆休みに入ったとはいえ平日だから、目指すは鯖街道。6月14日以来、約2カ月ぶりだなんて、かつては毎週のように走っていた自分からは考えられない。 14日のラ・パラを目標にしたセッティングとその確認はすでに終わっているし、8日には奥比叡でトレーニングもした。だから今日は、テストでもトレーニングでもなく、天気が良いからただ走りに行くという、久しぶりの気ままなツーリングだ。 ウチから鯖街道に向かう最短時間ルートには、いつものテストコース(国道422号の甲賀/大津市境付近)が含まれる。最初はまったくその気がなかったのに、やはり、ここを走ると、8日のダイアリーに書いたように“緊張を強いられず、心地よく走れる速度域が上に20km/hほど広が った”のを味わいたくなり、それまでとは一転してペースが上がる。 同じく8日のダイアリーの最後に “今よりもっと激しく攻めないと楽しめないのだろうか…”と書いたのを裏づけるように、速度の上昇とともに安定感と乗り心地がともに向上し、それにともなってマシンをコントロールする楽しさも増してくる。 6月14日のパイロット系と6月19日 のメイン系のセッティング変更で夏仕様になったキャブレターのおかげで、 トップギア5000rpm以上で全開にしたときのエンジンの反応も好ましく、過不足のない反応を伴いつつリアショックと共同でタイヤをしっかりと路面に押しつけ、強い旋回力と良好な加速を味わわせてくれる。 |
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何度も通っているテストコースなのに、今日はとくに、高速コーナー立ち上がりで路面を近くに感じる。このテストコースは、実は相当に路面が荒れており、段差や舗装の亀裂は少ないものの、大小さまざまなうねりが各所に散りばめられている。 コーナリング中に、勢いよく加速しながらそこを通過するのは、以前はかなりスリリングだったし、そのときの車体の反応も、去年あたりは “よれよれ”感、つい最近は“突き上げ感”や“振りほどき感”を伴うものだったのに、今日はまったく嫌な動きがない。フラットな路面よりもむしろ、マシンを操る楽しさを味わえて好ましいとさえ思えた。 テストコースを走り終えた後は、混雑した国道1号〜西大津バイパス 〜湖西道路を適当にやりすごし、真野ICから山に向かえば、 国道367号通称“鯖街道”は、もうすぐだ。 |
| 鯖街道に入ると間もなく、前方に ピアジオの MP3 250、さらにその前に赤いドゥカティ・モンスターが見えた。 7月18日のツーリングでごい っしょした赤ドカ1年生さんと、 そのお父さんだった。 MP3に興味を持 っていた私は、後ろについてその走りを観察しながら、久しぶりの鯖街道の走りを楽しんだ。思ったより道は空いており、クルマの流れは60〜 80km/h程度。こうした平和なクルージングでも、 新生XJ900は以前よりもはるかに軽快かつシャープな安定感を感じさせてくれ、一世代新しいマシンに変身したかのようだ。 朽木の道の駅に着き、お二人に挨拶をしていると、いきなりお父さんが MP3のキーを差し出され「どうぞ乗ってみてください」とおっしゃるではないか…。願ってもないチャンスである! 簡単に取り扱いを教えていただき、恐る恐る発進した。 |
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普通の二輪の感覚で乗れる…と聞いていたので、道の駅の駐車場から最初の右折で、自分のバイクと同じように車体を傾け、スロットルを開けたところ、まったく同じように反応した。ほほう。続いて、表の国道をビュ〜っと加速。右折しようと思 っていた信号のないT字路に気づくのが遅れ、ここで早くも急制動しながらの倒し込み。安定感がスゴい! 何だってできちゃう雰囲気だ。 その先の荒れた橋の上で急加速を試みる。小径ホイールの三輪だから路面のうねりには弱いんじゃないかという予想を裏切り、3つのタイヤがそれぞれバラバラに上下動をしている感触を伝えながらも、車体はま ったく嫌な動きをせず、何事もなく直進していく。気がつくとスピードメーターは90km/hを超えていた。 買われて間もないマシンだから、もっとスピードを出したい気持ちをこらえ、スキー場に向かうワインデ ィングロードに乗り入れる。普通の二輪と同じように走らせれば、普通の二輪と同じように走ってくれる。 加速も減速もしない状態で、ゆっくりと探るようにリーンアングルを増減させたときにのみ、ややスムーズさに欠ける反応が返ってきて、フロント二輪であることを思い出す。 ここでもブレーキングは絶品。四輪とは比べ物にならないとはいえ、通常の二輪の乗り方をする限り、グリップ限界はとてつもなく高い。イタリアだけでなくパリでも MP3が大流行しているのは、濡れた石畳の道などで、二輪では真似のできない思い切った走りができるからだろう。 ただ、 これはまったくMP3の責任ではないのだけれど、長く乗っている間にこれが当たり前になってしまい、普通の二輪に乗り換えたときに危ない目にあうかもしれない。 いや〜しかし、こんなに楽しい乗り物だとは、想像以上だった。二輪だとか三輪だとか言う前に、加速/旋回/制動などのすべての操作が楽しく、気持ちいいのだ。さすがイタリア製である。仮に日本のメーカーがこのテの三輪を造れば、もっと高性能かつ安全性の高い物になったとしても、この楽しさがかもし出せるかどうかは大いに疑問である。 |
| 試乗の後、お二人は山を越えて琵琶湖畔の今津へ出、そこから荻の浜というところの知人宅を訪問される予定だったので、とくにアテのない私も荻の浜まで伴走し、そこから、移転後まだ一度も訪ねたことのない ブルーカフェに向かうことにした。 道の駅から先の、鯖街道の峠越えは、休憩前と同じく 赤ドカ1年生さんが先導役。前回のツーリングのときに隊列の後方を走っていたときと比べると、はるかに安心して見ていられる。だんだんマシンへの入力のコツがわかってきたのか、無駄な力を入れず、スムーズに操っている印象だ。あとは少々メリハリをつけるのが今後の課題だろう。まあ、1年生とはいっても乗車歴は半年以下だから、慌てることはないけれど…。 峠を下ったところの信号からは、私が前に出て、ミラーごしに父娘の走りを撮影し、今津の街からはいよいよ、あたりの道に詳しいお父さんが先頭だ。街中ではキビキビと、そして、魚屋さんで買い物をした後の湖岸道路では 赤ドカ1年生さんも驚きの飛ばし親父に変身である。 こちらのメーターが 100km/hでも離れていったから、 120くらいは出されていたようだ。サングラス姿は50代、外しても60代、走りは30代といった感じの、 3/4世紀を生きてこられたお父さんに脱帽するとともにいくつになっても、男はカッコよくありたいとの念を深くした。
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| 湖岸道路の荻の浜でお二人と別れた後は、 旧国道161号で和迩のブル ーカフェへ。京都市左京区の吉田神社の鳥居前にあった頃はしょっちゅうおじゃましていたのに、こっちに移転してからは初訪問である。 が、そこは、バイク仲間というよりは古くからのメシ友/飲み友の稗田くんだから、まるで昨日の続きのように話ができた。久しぶりに私のXJ900を見た彼が どんな印象を持ったかは、ブルーカフェ社長のブログ に近々アップされる予定である。 さて、このブルーカフェの脇には私がレースメカになる前からの整備の師匠が営む“Vital Spirit”という名のボート屋さん(ちなみに店の名づけの親は私である)と、師匠と稗田くんの両方の奥さんがやっている“Cafe Smile”という名のカフェがある。不意の訪問のため、師匠は不在だったので、3階建ての建物の3階にあるカフェにおじゃました。 そこは、カフェ好きの私も唸る素晴らしいお店だった。この場所で、なぜわざわざ階段を登った3階なのか…。そのわけは、入ってすぐにわかった。東面の大きな窓の向こうに一面に琵琶湖が見わたせたからだ。 残念ながらデジカメのメモリーがいっぱいになり、写真は撮れず。師匠の携帯に電話をし、近いうちの再訪を約束して帰路についた。何だかとてもバイク乗りらしい一日がすごせた満足感に浸っている。 |
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