XJ900の爽快チューン
2012年10月9日 - TRX850なかじぃ号にMOSキャリパー&ラジアルマスターを装着   
     
 10月に入ってすぐ、なかじぃさんがTRX850でウチにやってきた。彼がどんな人なのかは、 5月18日のダイアリーに書いたとおり。フォークセ
ッティング、ファイナルのショート化、加速ポンプの無効化など、急ピ
ッチでチューニングを進めているマシンに、 次はMOSキャリパーと縦押し型マスターを装着すべく、事前の打ち合わせにやってきたのだ。
 そのとき彼は、キャリパーやマスターシリンダーといっしょに、アンダーブラケットにボルト留めする分岐管(機種不明)を持ってきた。これを使って油圧系の途中を確実にフレームに固定するメリットは多い。
 フォークの伸縮に伴うブレーキホ
ースの可動部分を、分岐管から下の部分だけにできる/分岐管よりも上のホースが1本で済み、取り回しが

すっきりする/ダブルディスクの場合、左右のキャリパーへの配管を対称にすることができる…などだ。
 反面、部品点数が増えてコストが増す/ハンドルの位置変更などの許容度が低くなる/分岐管の形状や向きによってはエア抜きが面倒になる
…といったデメリットもある。
 打ち合わせと採寸の結果、分岐管をアンダーブラケットに直づけしたのでは、キャリパーに向かう2本のホースの始点が右に偏ってしまうと判明。このため、キャリパーとセットで入手した左右等長のホースを使
ったのでは“たるみ”具合が左右で異なり、ブサイクになることが予想された。で、分岐管を左にズラして(ど真ん中に)マウントするためのブラケットを作ることにした。
 ホースは、安く上げるため、とり

あえず分岐管〜マスターシリンダー間の1本のみ新作することにした。上側に最適の40度のバンジョーフィ
ッティングとホースは、ウチにあったXJ900の余剰パーツを使い、 オリ
ーブのみ新品に交換。下側はバンジ
ョーフィッティングではなく、角度調整が可能なスイベルジョイント+バンジョーの組み合わせにして美しく取り回したいので、それら2点はなかじぃさんにネット通販のサイトを紹介(品物を指定)し、それらが届けば作業することに決めた。
 で、この日の私の仕事は、ブラケ
ット作りとホースの製作である。ブラケットの材料は、 XJ900のテールライトステーに多用した、外寸20×
20mmの7N01の角パイプ。これに6mmのマウント用ボルト穴と10.5mmのボルト頭通し用の穴を開け、16mm左に
不自然感がなく美しい弧を描くのが基本。後傾した下部のフィッティングを起こせば、ハンドル位置を20mm高めても使用可。
ボルトピッチは32mm。TRX850は、それを16mm右にオフセットさせているので、ブラケットを作ってセンターに分岐管を装着。
リザーバーホースは、6000円/mの高価な物。汗かきや漏出がないことは、私のマシンで7年・9万km以上使用して確認。
7N01の角パイプを使ったブラケット。マウントボルトの頭をクリアすべく、表面中央にφ10.5の穴をあけ、左側はRにカット。
TRX850にポンづけできるMOSキャリパー。ネットオークションで入手したそうだ。何用だったかは、聞いたのに忘れてしまった。
寄った位置に6mmの被マウント用の穴を開ければ目的の物はできる。
 ボール盤も強力なバイスもないから、角パイプを足で踏んでハンドドリルで穴あけをした後、適当な長さに切断。そのままだとカッコよくないので、左端を斜めにカット。それでもまだ足りない気がして(笑)、サンダーとヤスリで切り口をRに仕上げ、何とか納得できる物になった。分岐管取りつけボルトの相手は、角パイプ内に挿入したTナット。これまた XJ900の電装系改造時に多めに購入していた余剰パーツである。
 完成したブラケットを介して分岐管をアンダーブラケットにマウントしてから、ホースの製作に移る。先にホースの一端に40度のバンジョーフィッティングを取りつけ、その間になかじぃさんが交換を終えた新し

いマスターシリンダー(縦押し型)にバンジョーフィッティングを仮づけし、分岐管側には仮組みしたスイベルジョイント+バンジョーを仮付け。近い将来、ハンドル位置を変更するかもしれないので、とりあえず想定範囲で最も高い20mmまで上げて仮止めし、その状態で張りすぎにならないようにホースの長さを決定。
 あとは、いつもの要領で、マークした位置にガムテープを巻き、サンダーでホースを切断。お客さんのマシンなので自分のより慎重に(笑)、エアダスターを吹いて切り粉を飛ばし、スイベルジョイントを装着。その後、分岐管に取りつけたバンジョ
ーにねじ込み、ねじれのない向きでスイベルジョイントをバンジョーに締めつけた。ハンドルを元の位置に戻したときの“たるみ”は、バンジ

ョーを後傾させることで解決した。
 これにて準備完了である。分岐管とブラケット、左右のキャリパー、マスターシリンダー、リザーバータンク、下側の2本のホース、上側のホースなどをすべて正しく取りつけたあと、 これまたXJ900用の余剰パ
ーツであるテフロンチューブ+ナイロンメッシュ+PVC被覆の 高価なホ
ースを惜しげもなく投入し(笑)、マスターシリンダー〜リザーバータンク間を配管し、タイラップとワイヤ
ーの2丁がけでクランプした。
 最後に、ブレーキフルードを注入の後、なかじぃさんと2人がかりでエア抜きをして、この日の作業は無事に終わった。自分のマシンじゃないのに、自分の好みを押し通した箇所はあるが(笑)、この仕上がりにはなかじぃさんもご満悦だった。


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