XJ900の爽快チューン
2012年10月19日 - ツーリングステーション@阿蘇に備え、タイヤ&パッド交換とキャブ整備
     
 今年4回目のダンロップ・ツーリングステーションは九州。大分との県境に近い熊本県南小国町、瀬ノ本高原にある三愛レストハウスが会場である。今回もまた、全区間下道を走っていきたかったのに、昨夜、バイカーズステーションの原稿を書いている段階で断念した。マシンの準備が何もできていなかったからだ。
 しかし、下道が無理だからといって高速で行く気にはならず、今夜のフェリーで明朝九州(新門司港)に上陸し、明日一日かかって現地入りすることにした。だから、整備に使える時間は今日の夕方まで。整備項目の優先度は、高いほうから、タイヤ交換>キャブのガソリンにじみ対策>キャブセッティングの順だ。
 で、まずは、どうしてもしなきゃらならないタイヤ交換のために、い

つもお世話になっていたグローリーホール改め“SONIC Motorcycle”さんに開店時刻に乗りつけ、前もって届けてもらっていたK300GPに換装。このマシンのタイヤ交換は、以前から、ここで場所と道具を借りて自分でやってきたので、今回も同じ。
 が、1年に1回くらいしかしない作業だからか、要領を思い出すのに少々時間がかかる。こうだったかな
…ああだったかな…と、いろんな態勢を試しつつ“ああ、これこれ!”
と思い出すといった感じである。
 それでも何とか、目標の1時間以内で前後ホイール取り外し〜タイヤ交換〜バランスどり〜空気圧調整〜装着を終えることができた。
 ただ、タイヤ交換の途中でキャリパーを外したときに、左右それぞれのキャリパーの内側のパッドの減り

が、外側と比べてかなり進行しているのに気づき、ウチに戻ってからの作業がまたひとつ増えてしまった。
 SONIC Motorcycleでの用事はもう1件。キャブの本体〜フロートチャンバー間のシールをしている特殊形状のOリング(5DM-14561-00)の購入だ。最後にフロートチャンバーを外した3月1日に、4個のOリングがすべてやせ細っていて、中には切れかけているのがあったので、手持ちの中古スペアと合わせた12個の中からマシなのを4個選んで装着したのだが、夏ごろから3番気筒のフロートチャンバー取りつけ面からのガソリンにじみが気になりだし、秋にな
ってそれがヒドくなってきたような感じだったので、1個473円のこれを4個、前週にSONIC Motorcycleさんに注文しておいたのだった。
ダンロップのイベントに仕事で行くのに、ダンロップタイヤ以外の選択肢はない。K300GP以外に候補がないのが辛いところ。前:11885、後:11872km走行したスポーツデーモン。前後ともプロファイルの崩れは明らかで、これにて廃棄処分にした。
 12時すぎにSONIC Motorcycleさんを出て、帰宅途中、ウチに着いてからの作業のシミュレーションをしながら走り、パッド交換→フロートチ
ャンバーのOリング交換→メインジ
ェットとパイロットジェットの交換
…という作業順序を決めた。
 今日ここまで、すべてが思ったよりスムーズに進行しているので、この先もうまくいくだろう…と、ゆっくり昼メシを食った後、14時に作業開始。パッドの交換は、手持ちの中古スペア2枚を含む6枚からマシなのを4枚選び、さらにその4枚の中でもマシな2枚を内側、残る2枚を外側に装着するだけだ。過去の整備記録を見ると、今日まで使っていたパッドは、 2009年7月12日に4枚セ
ットで新品に交換した物と判明。以後26712km走行しているから、 驚異

のロングライフという他ない。
 効かないヤツならともかく、あの強烈な制動力と絶品のブレーキタッチを味わわせてくれるメタリカが…である。このパッドを使いはじめたころ、軽く1万km以上使えたのに驚くとともに、ツーリング中心の使い方なら2万km以上もつのではないか
…と予想し、それを記事に書いたりもした。その予想を、今回、自ら実証したわけで、やはり、メタリカ以外のパッドを使う気にはならない。
 パッド交換が終わったところで、そういえばブレーキフルードを長く交換してなかったな…と思い出し、整備記録を見ると、車体&電装系大改造中の 2010年7月19日にキャリパ
ーを分解してアルミピストンを装着
して以来、一度もフルード交換をしていなかったことがわかった。再始

動した 翌年4月13日から数えても、1年半、19573kmの間、無交換だったのだから、替えどきはとうに過ぎ、危険なレベルだったかもしれない。
 ブレーキフルード交換は、エア抜きと同要領で、リザーバータンクに新しいフルードを入れ、キャリパー側のブリードスクリューから抜いただけ。TRX850なかじぃ号で練習したばかりの作業なので(笑)、思い出すまでもなくスムーズに進み、15時にはブレーキ関係の整備が終了した。
 予約したフェリーの出航は、六甲アイランドを20時である。乗船手続きの時間を見込んで、19時すぎには乗り場に着きたい。できる限り上道で行けば、ウチから六甲まで1時間少々か…。あと3時間でキャブと荷物の用意ができないわけはないと判断し、キャブにとりかかった。
長期のガソリンにじみにより、茶色く汚れた3番のフロートチャンバー。Oリングよりも油面が高いから、Oリングがヘタるとにじむ。
ガソリンタンクを程度のよい物に交換したおかげで、キャブレター内部には錆の溜まりもなく、美しい状態をキープしていた。
新品から26712km走行した4枚のうち、最も減っていたパッド。溝が見えないくらい摩耗しているが、当り面の傾きはなかった。
 今回のキャブ整備ほど、車体&電装系大改造時に施した整備性向上策に感謝したことはない。ガソリンタンクを含む外装パーツを外し、ストリップ状態にするのに1分。エアクリーナーボックス後半部を外すのに数十秒、前半部を外すのにおそらく
2〜3分、その後、キャブまわりの配管を外し、キャブを単体で取り出すのにも数分しかかからないからだ。
 外して裏返しにしたキャブは、案の定、3番のフロートチャンバー表面が、まるで長期不動車(または廃棄車)のような色をしていた。ガソリンのにじみによって茶色くなるのは、着色料のせいである。ガソリンだけなら気化するが、灯油との識別のためにガソリンに混入された赤色成分は気化せずに残り、それが堆積してこうなってしまうのである。

 幸い、常にガソリンがにじみ続けていたおかげで(笑)、乾燥しておらず、パーツクリーナーとブラッシングによって、汚れは簡単に落ちた。
 16本+数本のネジを緩め、4気筒分のフロートチャンバーを外すと、内部はきれいなもの。塗色変更に伴
って交換したタンクの程度が非常によかったおかげで、以前はフロートチャンバー底に必ず溜まっていた錆らしき物がまったく見当たらない。
 4個のOリングを外し、Oリング当り面と溝を掃除したあと、新品のOリングに、このところ愛用しているSuper Lubeの多目的グリスを塗って装着。これで“修理”は完了のはずなので、セッティングに移る。
 今回のセッティング変更の目的は2つ。ひとつは、外気温の低下により、キャブが温まるまでの間に顕著

な“ちょい開け時の反応の鈍さ”対策としてパイロットジェットを1サイズ大きくしてみること。
 もうひとつは、実はエアクリーナ
ーボックスを改造したときテキトーに決めたままロクにテストをしていなかったメインジェットが大きすぎたのではないかという疑惑を晴らすため、冬になる前にメインジェットを絞ってみること、である。
 MJを135から115に変更したのは、中間サイズの手持ちがないからであり、115から135に拡大していたのも115よりは135のほうがマシだろう…的な安易な考えによる。 7000rpm以上回すことがほとんどない私には、MJの番手確認はなかなかチャンスがなく、ほとんど“放置”状態だったというのが正直なところ。変更の結果は明日以降のダイアリーにて。


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